異業種4社のクロストークによる新たな視点 各社が今抱えるカテゴリー課題の改善に挑む

【出席者】

インターメスティック マーケティング・制作本部 マーケティング戦略部 部長 須田 悠太 氏
KDDI ブランド・コミュニケーション本部 副本部長 合澤 智子 氏
ソニーマーケティング カスタマーエンゲージメント本部 マーケティングコミュニケーション部 統括部長 兼 チーフクリエイティブディレクター 髙橋 拓也 氏
ファイントゥデイ 日本事業本部 ブランドマーケティング部 ヴァイスプレジデント 益川 竜介 氏

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写真左から、ファイントゥデイ 益川 竜介 氏、インターメスティック 須田 悠太 氏、ソニーマーケティング 髙橋 拓也 氏、KDDI 合澤 智子 氏

感動体験の提供やデータ・インフルエンサー・SNSを駆使する現代のカスタマージャーニー

宣伝会議は2025年10月 29日、第40回目となる「CMO X」の研究会を開催。今回はインターメスティック、KDDI、ソニーマーケティング、ファイントゥデイの4社が参加し、各社の概要やカスタマージャーニーマップ、課題や方針などについて議論した。

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KDDI 合澤 智子 氏

KDDIの合澤氏は、auにおいて契約者IDを獲得するためのカスタマージャーニーマップを紹介。通信という見えない商品において、販路が昔と大きく異なってきているという。ペルソナが幅広いうえ、SIMやeSIMなど携帯がオンラインで契約でき、キャリアスイッチが簡単になっている今、ユーザーとのエンゲージメントをどう獲得するかが課題であり、またデジタル過渡期といった今の時代の流れに伴い、デジタルとマスで多様化するメディアの活用についても考えていかなければならないと話した。

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ソニーマーケティング 髙橋 拓也 氏

ソニーマーケティングの髙橋氏は「商品購入後」に注力していると話し、ユニークなカスタマージャーニーマップを紹介。顧客の解像度を高め理解することが重要だと考え、商品がユーザーにどのように使われているか調べ、潜在欲求を見つけてコンセプトを作成。マス型のファネルコミュニケーションではなく既存ユーザーに向けたエンゲージメントコミュニケーションを組み立て、拡散までつなげているという。しかし、今後エレクトロニクス商品市場は成長が限定的なため、ユーザーの興味関心を見出し、熱狂できるイベントや、コト軸でのサービスを仕込んで「感動体験」を通してカスタマーサクセスの量を増やすことが重要と語った。

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ファイントゥデイ 益川 竜介 氏

ファイントゥデイの益川氏は、トライアルを続けることに重きを置いていると話し、カスタマージャーニーマップを紹介。まずはブランド認知を広げる必要があるため、SNSや美容系インフルエンサーなどの情報発信でリーチを獲得し、具体理解に繋げるために美容系に強いショップで先行販売してもらい、毎日を豊かにする「日用美品」として消費者との接点を設けていると話す。認知を獲得し、気に入ってもらってリピートされるタイミングでクーポンなどの刺激を与えて口コミを広げ、それを見た消費者が購入につながるといったサイクルを回すカスタマージャーニーだという。

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インターメスティック 須田 悠太 氏

インターメスティックの須田氏は自社にカスタマージャーニーという概念が浸透していないため、「AsIs、ToBe」のような形で紹介するという。眼鏡は3年に1回の購入頻度のためリーセンシ―が長く、いかに自宅から店舗までの距離が近いかがビジネスの中心になっている。そのため足元商圏に出店数を増やすことが、これまでの基本的な考え方であると話した。眼鏡は「なくした、壊した、ぼやけた」などで来店は必ず発生するため、マーケティングせずともビジネスが成り立つが、機能的価値だけだと眼鏡での差別化は難しくなってきているため、精神的・感情的な価値を持たせることが必要になってくる。現在は社内インフルエンサー150人を駆使し、オンラインコンテンツでもEC比率向上を図っているという。

各社が抱える、ブランドに属するカテゴリー課題と戦略の大方針

続いて各社は、ブランドが属するカテゴリー課題と、解決のためのマーケティング戦略について紹介した。

髙橋氏は「家電業界は成長が限定的であるとともに、技術的な差異を感じにくい点が課題」と語る。「今はソニーの商品のみを扱っているが、他企業とのコラボで新たな楽しみ方を提案し、モノだけにとどまらない、感動体験欲求と、興味喚起を活性化しようと考えている。また、我々の持つデータが所有製品の区分で管理されているがゆえ、気が付けば、製品の買い替えや買い増しのマーケティングに閉ざされてしまっている。この思考を打破するためにも、ユーザーの趣向性を満たすために何が必要か考え、顧客のエンゲージメント拡大を指標に事業を進めている」と語った。

益川氏は「インバスヘアケア市場は、商品の使用習慣を増やさなければ広がらないため、カテゴリーの使用率を上げることが課題だ」と語る。「日本はシャンプー未使用者がほとんどいないため、限界値が来ている。一方トリートメントの使用率は3割程度のため、使用習慣をつけてもらうことを考えて事業を進めている。また、ユーザーの高齢化にはリブランディングで認知拡大し、プロダクトカテゴリーの競争激化は、広告の最適化でPODを的確に届けていきたい」と語った。

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