SHIGOTO KAの強みはムービーとグラフィックを一貫して企画・制作できる体制にある。コンセプト設計の段階からムービーディレクター中川氏とアートディレクター松原氏、ムービープロデューサー、グラフィックプロデューサー、制作陣の全員でプロジェクトに向き合う。少数精鋭だからこその密なコミュニケーションで、選択肢と可能性を広く、かつスピーディーにクリエイティブを生み出す。案件ごとに多種多様な外部の専門家と柔軟にチームを形成できるのも強みだ。
異なる分野で経験を積んだ2人が設立
中川氏は広告制作会社にて制作部、助監督などを経てフリーランスの映像ディレクターとして活動を開始。その過程で、現在の同社の強みの一つである「ビューティー領域」との接点が生まれている。
「仕事柄、ヘアメイクアップアーティストの方々とのつながりが多くありました。当時はWebムービーが浸透し始めた時期で、そうしたプラットフォーム向けの映像を演出する機会が増えていきました。そこからブランドへと繋がり、徐々に化粧品関連の案件が増えていきました」と中川氏は振り返る。
SHIGOTO KA 代表取締役CEO クリエイティブディレクター/ムービーディレクター 中川大地 氏
一方、松原氏は長年、フリーランスのデザイナーとして活動してきた。ミシュラン三つ星の老舗料亭「菊乃井」の商品企画やロゴ制作、ブランディングなども経験。こうしたつながりから、日本のラグジュアリーブランドの仕事が増えていったという。2人は違った道を歩みつつも、互いにフリーランスとして多くの案件に向き合ってきた経験が、今のSHIGOTO KAの礎となっている。
「仕事に楽しさを感じつつも、一人で表現することへの限界も感じていた」というタイミングで、松原氏から中川氏を誘う形で、2016年にSHIGOTO KAを設立。「互いにより面白いことを、クリエイティブを通して実現していきたいという思いが一致していた」という。
SHIGOTO KA 代表取締役CCO アートディレクター/クリエイティブディレクター 松原秀祐 氏
共通するのは「美への価値観」
クライアントの多くは、ビューティー領域の企業や、伝統産業が占める。この背景には、2人の共通した「美への価値観」がある。
「化粧品はもちろん、伝統工芸品や料亭のしつらえ、提供する料理も、ラグジュアリーな『美』だと考えています。どれもデザインが緻密に計算されており、特に伝統工芸においては、その美しさが現代まで大切に守り伝えられています。そうした本質的な美しさを感じる仕事が好きですし、得意としています」(中川氏)
また、これまでの「美」領域での経験は、単なる制作スキルにとどまらず、迅速なクライアント理解にも寄与している。
「数多くの撮影を経験する中で、化粧品のプロジェクトだとマットな肌とツヤ肌の違い、カラーメイクアップのバランス、その時期のトレンドといったノウハウが蓄積されてきました。そのため今では、商品の特徴をうかがえば即座に目指すべき世界観がイメージできます。前提のすり合わせに時間をかけることなく、本質的なクリエイティブの細部に注力することができる」(中川氏)
顧客と長期の関係を築く「シゴトへの向き合い方」
大きな特徴の一つに、クライアントのリピート率の高さがある。中には、フリーランス時代から十数年にわたる付き合いがある企業も。松原氏は「クライアントに誠実に向き合う姿勢が、組織全体に深く根付いていることが大きいからでは」と話す。
「企画力やデザイン力の質も大切ですが、信頼構築にはメールの返信の早さや、寄せられるご相談への向き合い方などが欠かせません。こうした意識の積み重ねが、リピート率の高さにつながっていると感じています。また、『どうすれば消費者に響くのか』という制作物を届ける先まで、チームとして丁寧に議論することで、クオリティの担保や、顧客満足度の最大化を図っています」(中川氏)
同社の案件の約7割は、クライアントとの直接取引である点も特徴だ。直接コミュニケーションを図ることで情報の相違を防ぎ、迅速なプロジェクト進行と、クライアントのイメージと乖離のない制作を両立させている。
創業から約10年という月日の中には、クライアントの大きな成長を間近で見守ってきた案件も存在する。その一例が、江戸時代創業の京都の提灯工房・小嶋商店との取り組みだ。松原氏は、小嶋商店のブランドディレクターとして、Webサイトやブランドロゴ、パッケージのデザインなどを制作してきた。長年伴走し続けてきた結果、近年では同社がグローバルアパレルブランドや海外のラグジュアリーブランドとのコラボレーションが実現するまでに飛躍した。
「小嶋商店さんをはじめ、伝統産業に関する領域では特に、今ある技術を残していく方向性でブランディングしていきたいという思いがあります。まずは商品を開発するのではなく、その技術や商品の魅力を発信し、現代社会の中での在り方を考えていくことが重要だと考えています。新商品の開発も無理のない程度で進めますが、その企業のお金や人員も含め、持続可能な事業を展開していけることが理想だと考えています」(松原氏)
長く寄り添えるクリエイティブ集団へ
「クライアントとともに面白いことを」という創業当初の思いを胸に、一緒に成長していく。SHIGOTO KAが目指すのは、長期的に続く価値の創出である。
「今後も志を共有できる仲間を迎え入れて、SHIGOTO KAのシゴトをどんどん拡張させていきたいです。常に新鮮なアイデアと新しい提案で社会の選択肢を広げていけたら嬉しいです」(松原氏)
「予算や状況に柔軟に応じて、映像、グラフィックという手法に縛られず、Web領域も含めたトータルなコミュニケーションで課題を解決したいと考えています。対話と志を大切に、新たな景色をみんなで見たいですね」(中川氏)
「社名の『シゴトカ』という言葉は、『カ』の捉え方次第で、受け手にさまざまな印象を与えます。例えば、『家』にすれば『書道家』のようにプロフェッショナルな印象を、『課』とすれば役所の窓口のように人々の生活に寄り添うような印象を与えます。社名の後ろに『?』をつけると、『こんなに楽しいのにお金をいただけて、これ本当に仕事か?』という遊び心を感じさせる響きにもなる。仕事というもののあり方を考え続ける会社になりたいという思いを込めました」(中川氏)

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株式会社SHIGOTO KA
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