客数も売り上げも「想定外」 創業118年で初、貝印がいま直営路面店を設けたワケ

カミソリや爪切りなど刃物製品で知られる貝印が、創業118年の今年5月、同社初の直営路面店を京都市中京区に開いた。売れ行きも来店客数も想定外を上回る想定外の人気でありながら、京都の他業種とタッグを組んだり、日本人向けに新たな体験を提供したりと、日本の再発見にもつながっている。

写真 京都の新店舗の外観

京都の新店舗の外観

「店を構えたところは観光客がしょっちゅう行き来するようなところではないので、見つけてもらうのに時間がかかるだろうと思っていたところ、日本も含め、世界中から来てくださいます」と話すのはマーケティング部の杉田美穂氏。5月1日の開店からわずか1カ月だが、その人気はすでに世界に広まっているようだ。

写真 京都の店内

京都の店内

インバウンドの増加と、訪日客が日本で包丁や爪切りを買い求めていることを受け、同社は2024年に成田空港に直営店をオープンした。成田空港では主に包丁を販売しており、特に高価格帯の商品の売れ行きが好調という。国別の特徴もあり、特に欧米には包丁が、中国からの客には爪切りが売れており、「想定を大きく上回る売り上げ」となった。一方で、空港という場所柄、包丁などを体験してもらうことは難しく、実際の使い心地を試してもらう機会は少なかった。

実際に触れてもらって使い心地を確認し、ブランド認知を広め、かつ、日本人にも体験してもらいやすい場所にしようと、2025年夏頃から京都への出店を検討し始めた。京都を選んだ理由として、国内外からの集客のポテンシャルが高いこと、伝統を大切に引き継いで今に生かしていること、また、競合である老舗の包丁メーカーが相次いで出店していることもあった。

写真 店内では包丁の研ぎ方も紹介

店内では包丁の研ぎ方も紹介

「観光客が多い場所ではないから」と考えていたが、5月1日にオープンすると、欧州、米国、アジア、中南米など、世界中から客が押し寄せた。インフルエンサーに依頼して英語で発信してもらっていたこともあり、多くはSNSをきっかけに訪れる客が多いという。広報宣伝部の中尾真依子氏は、「SNSの投稿の閲覧数も多く、想定外の状況に驚きました」と話す。来店客に占める日本人の割合も、成田空港の店舗の割合より増え、同社が店舗を持っていることや包丁を扱っていることを知らず、驚く人もいたという。

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