「らくっ」「ふたんが、ふっとんだ。」ユーザーの悩みと期待が、コミュニケーションアイデアに

「コピーライターの登竜門」として60年以上の歴史を持つ宣伝会議賞は、企業や団体・自治体などによる課題協賛によって成り立っています。そのうちの1社、第63回(2025年~26年)に課題を提供した、村瀬鞄行(本社・名古屋市)にその狙いと受賞作選考などの過程で得た気づきなどについて聞きました。

宣伝会議賞への参加でターゲットとの直接接点を創出

村瀬鞄行は、ランドセルの製造から卸、直販までを一貫して行ってきた。長年培ってきたランドセルの負担軽減機能を生かし、中高生向けの鞄に応用した新商品を発表するタイミングで、宣伝会議賞の活用を決めた。

通学時の荷物の重さについては、ランドセルを背負う小学生がよく話題にされるが、「実は、中高生にとっても深刻な課題だ」と、広報を担当する井戸田和之氏は話す。同社は、宣伝会議賞への参加を通じて、健康を守るために開発した新商品を、想定ユーザーである中高生に直接知ってもらうことができる機会と捉えた。同社ではこれまで販促コピーは社内で作成しており、生活者の声を直接取り入れる機会はなかったというが、初めて応募者の視点を取り入れることでリアルな意見や、表現に込められた深い洞察を得ることを期待した。

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村瀬鞄行の井戸田和之氏

応募作品が明らかにした中高生の課題

多数の応募作品を通じて、中高生が荷物の重さに苦しんでいる実感が伝わった。井戸田氏は「思った以上に中高生が荷物の重さに苦しんでいるのがリアルに伝わってきた」と話す。

この知見は負担軽減を重視した商品開発の重要性を再認識させ、社内での意識共有にもつながった。「今回、発売した商品もそうですが、小学生向けのランドセルも含めて、ちゃんと負担を減らせる商品をつくって、それを皆さんに届けていく必要性を感じた」と井戸田氏。従来の社内発想だけでは見落としていた生活者視点を確認できたことは、今後の製品展開における貴重な材料となったという。

宣伝会議賞の協賛企業賞選出までのストーリーをオンラインショップで紹介

コピー活用と次世代企画への展開

2026年2月に販売開始した、新商品「rakuru(ラクール)」のプロモーションには、同社が協賛企業賞に選んだ「ふたんが、ふっとんだ。」を起用した。販売開始後は、中高生以外にも、荷物の多さに困る大人からの購入もあり、相場の倍以上の価格設定にも関わらず増産が必要なほどの反響があり、同社の想定を上回る売れ行きとなったという。

集まったコピーは商品ページ、POP、Xでの投稿などに活用した。POPに使った「らくっ!」というキャッチも、応募作品から着想を得た。今後は、来年の入学シーズン向けに、アイデアを生かしてランドセルの広告にもアレンジできないか、と期待を膨らませる。井戸田氏は、「応募者自身にも、自分が感じていることと、商品のメリットとを照らし合わせて考えてくれることで、負担軽減の重要性を再認識してもらえていたら嬉しい」と話した。

「らくっ!」というコピーも応募作品から着想を得た

 

課題協賛のお問い合わせは

宣伝会議賞事務局(株式会社宣伝会議内) 
メール:skat@sendenkaigi.co.jp

■ 宣伝会議賞とは

宣伝会議賞Webサイトはこちら

「宣伝会議賞」は月刊「宣伝会議」が主催し、広告表現のアイデアをキャッチフレーズまたは絵コンテ・字コンテという形で応募いただく公募広告賞です。雑誌『宣伝会議』の創刊100号を記念して1962年に始まり、以降、若手コピーライターの啓発、ならびに人材の発掘・育成やコピーライターの意識の向上を目的に開催しています。現在は「コピーライターの登竜門」として知られ、日本最大規模の公募型広告賞の一つです。

協賛企業が提供する広告課題に対して、キャッチフレーズや企画アイデアを広く募集する事で、企業のマーケティング・ブランディング施策におけるクリエイティブ価値の創出機会として評価されています。審査員は広告界の第一線で活躍するコピーライターやCMプランナー、クリエイティブディレクター約100名が務めます。

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