【7月開講】創造的思考でブランドの核をつかむ ブランディング実践講座 萩原幸也クラス はこちら
こんにちは、萩原幸也です。私はリクルートで長年、サービスの立ち上げやブランディング、ブランドマネジメントに携わってきました。最近、現場でますます重要になっていると感じているのが、ブランドにおける「人間らしさ」です。それは、ブランド担当者が属人的に意思決定をするということではありません。そのブランドが何を信じ、何を大事にし、どんな未来に賭けるのか。そうした「意志」を持てているか、そしてそれが社会にも伝わっているか、ということです。
AIは「平均」に強い。だからこそブランドは「意志」が問われる
AIやデータは、既存の情報を整理し、最適化することに長けています。これによりマーケティングの精度やスピードは確実に上がっています。これはとても良いことです。ただ、その恩恵が広く行き渡るほど、アウトプットは平均値に寄っていきます。競合調査をしても、SNSを見ても、LPを眺めても「どれも悪くないが、どれも強くは残らない」という状態が起きやすくなっていくでしょう。正しさだけでは、ブランドは選ばれにくくなっていくのです。
ブランドは、最適解の総和ではありません。何を言うかと同じくらい、何を言わないか。誰に広げるかと同じくらい、どこで踏みとどまるか。そうした選択に、そのブランドらしさは表れます。そしてその選択は、アルゴリズムだけでは決めきれません。最後に必要になるのは「こうありたい」という意志です。
ブランド課題に、ひとつの正解はない
ブランディングが難しいのは、課題の多くに正解がないからです。新ブランドを立ち上げるときも、既存ブランドを再定義するときも「この答えだけが正しい」と言い切れる場面はほとんどありません。ターゲットを広げるべきか、尖らせるべきか。歴史を守るべきか、更新すべきか。機能価値を前に出すべきか、情緒価値を前に出すべきか。どれも一理あるからこそ、議論は迷子になりやすい。
このとき現場では、よく二つのことが起こります。一つは、データやファクトは十分にあるのに、意思決定ができないこと。もう一つは、逆に誰かの強い好みや経験だけで進んでしまうことです。前者は正しい情報が多すぎて動けず、後者は再現性がない。どちらにも共通して欠けているのが、判断の拠りどころになる「ブランドの核」なのだと思います。