“香害” の被害者から「大絶賛」 自主回収でも応援されたシャボン玉石けん、「売上100分の1 17年間赤字」でも貫いた “無添加” への執念

シャボン玉石けんは6月29日、「無添加せっけんシャンプー専用リンス」の一部製造品を自主回収すると発表した。無香料商品にもかかわらず、香気成分が検出されたためだ。

商品の自主回収は、通常、企業にとってマイナスに受け止められやすい。だが、今回の発表をめぐっては、「香害に本気で取り組んでいるからこそ、これほど迅速に対応できるんだね」「移香しただけでも自主回収…!すごい徹底してる」など、SNSで応援の声が多数上がっている。背景にあるのは、同社が長年発信してきた「香害」への問題提起だ。

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ロット番号の記載場所:ボトル_底面、詰替え用_裏面下部

自主回収の対象となったのは、ボトル520mLとつめかえ用420mLの一部ロット。時事通信によると、回収対象は計2万9441個。シャボン玉石けんは公式発表で、当該商品は自社工場での製造を主としているが、近年の需要増に伴い、一部を委託先工場で製造していたと説明している。香気成分は、同工場で製造した製品から検出された。現時点では、一時保管の過程で「移香」したものと推察しているという。

「香害」とは、柔軟剤や化粧品などに含まれる人工的な香料によって、頭痛やめまい、倦怠感などの体調不良を引き起こすことを指す。

同社が6月に公開した「香害・化学物質過敏症に関する意識調査」(20〜60代の男女331人対象)によると、人工的な香料に対して「不快感を覚える」と回答した人は77%、「体調不良を経験したことがある」と回答した人は47%だった。「香害」の認知度は84%に上り、65%が「無香料の心地よさ」を実感した経験があると回答している。

赤字転落でもこだわり続けた「無添加」

こうした背景もあり、SNSでは「応援不可避」など、「無添加」「無香料」へのこだわりを評価する声も多い。今回の対応が好意的に受け止められているのは、同社が長年にわたり、無添加石けんを軸に企業姿勢を示してきたこととも関係している。

その原点には、現社長・森田隼人氏の父で、先代社長を務めた森田光德氏の経験がある。シャボン玉石けんは「健康な体ときれいな水を守る」という企業理念のもと、無添加石けんの製造・販売を行ってきた。ただ、創業以来、無添加石けん一筋だったわけではない。1961年には電気洗濯機の普及に伴い、合成洗剤の製造・販売も始めていた。

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