「漫画家にとってふるさとの匂い」 128歳の開明墨汁に祝福殺到、漫画家やアニメ公式も反応 “懐かしさ” をSNSの熱量に変えた周年企画

「128歳、まだフォロワーは欲しい」

日本で初めて墨汁を生み出した老舗メーカー、開明(東京・千代田)の公式Xが注目を集めている。

8月25日に創業128周年を迎えた同社。2日前の8月23日、公式Xは「お願いがあります」と切り出し、「128歳にして初めての夢があります」と投稿。その夢とは、「開明墨汁」をXのトレンドに載せることだった。

「128年間の中で いちばん賑やかな誕生日にしたい」として、8月25日20時25分に、開明墨汁との思い出や写真、作品などを「#開明墨汁128歳」を付けて投稿するよう呼びかけた。目標は、年齢にちなんだ「1280投稿」とした。

投稿は大きく拡散。8月26日朝までに約200万表示、6万件を超える「いいね」を集めた。投稿には「昔、アナログで漫画を描く際に使っていた」「今も毎日使っている」といった愛用者からの声が相次いだ。漫画家の羽海野チカも、ボトルを見ると墨汁の匂いを思い出すとして、「漫画家にとってふるさとの匂い」と反応した。

1898年生まれ、「墨汁」を発明

開明は1898年創業。現在の「墨汁」を発明した企業だ。

同社によると、創業者の田口精爾は明治20年代、岐阜県の山村で小学校教員をしていた。当時、冬の寒さで手をかじかませながら墨を磨る子どもたちを見て、「かわいそう」と感じたことが開発のきっかけだった。

その後、東京職工学校で応用化学を学び、磨らずに使える墨を開発。「開明墨汁」と名付け、1898年に田口商会を創業した。製墨原料にカーボンブラックを使用したのも同社が初めてだったという。

現在では書道だけでなく、版画や魚拓、漫画制作などにも使われている。手塚治虫をはじめ、多くの漫画家にも愛用されたとしている。

投稿では、「創業128周年」ではなく「128歳」と表現。「周年記念へのご愛顧に感謝」ではなく、「トレンドに載りたい」。企業ではなく、128歳になった「墨」自身が話しているような口調で発信した。

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