お金持ちは何にお金を使う? 「新富裕層」に見られるモノ離れとは違う消費傾向

博報堂は、富裕層の価値観や生活行動などを分析した「新富裕層調査2026」の結果を公表した。株価の上昇を受け、親らの資産効果の恩恵を受けたり、自身で資産を増やしたりする若者も増えており、企業も富裕層をターゲットにしたサービスや商品を展開している。今回の調査では、世帯年収3000万円以上の富裕層世帯を「新富裕層」として着目。調査からは、同世代の傾向には当てはまらない姿が見えた。

調査は2026年3月、20~69歳の男女計3709人を対象に実施。うち、世帯年収が1500万円以上の人は2173人、同3000万円以上の人は547人、同5000万円以上の人は214人だった。また、金融資産が1億円以上の人は727人、同5億円以上の人は194人だった。

調査の結果、年収3000万円以上の「新富裕層」の55%が、金融資産1億円以上だった。また、新富裕層に共通する10大価値観があり、所有よりも特別な体験・意味を重視しており、自分自身を豊かにするもの、家族や大切な人との時間を豊かにするもの、時代を超えて価値を持ち続けるものを資産ととらえ、積極的に消費・投資する傾向が見られた。

10大価値観 新富裕層  全体  
モノの所有より体験や経験にお金を使いたい 51% 39%
常に新しい知識や経験を追い求め自分を成長させ続けたい 58% 36%
商品そのものだけでなく、その背景にあるストーリーが大切だと思う 48% 31%
学校・会社・地域のつながり、コミュニティを大切にしている 44% 27%
時間やゆとりを得るために、お金をかけることを惜しまない 58% 31%
自身の健康や心の豊かさのためにお金をかけている 57% 42%
子供のためにはお金をいくらでも使いたい 44% 30%
親・先祖から継承された資産を維持していくことが大切だ 52% 33%
社会問題・環境問題の解決に貢献したい 42% 29%
海外で生活することにまったく抵抗はない
日本が持つ独自の価値や文化を守ることが重要だ
43%
46%
20%
46%

また、AI について調査したところ、新富裕層の60代の53%が、「生成AIツールを利用している」と回答。シニア層全体の34%を大きく上回り、若年層全体の58%に迫っており、若者と同様にAIを活用していることがわかった。新富裕層全体でも、58%が常に「新しい知識や経験」を追求し、「自分を成長させ続ける」ことを志向していることから、成長意欲が高いことがうかがい知れる。

新富裕層は投資にとっても積極的だ。新富裕層の59%が「貯蓄より投資にお金を回す」ことを意識しており、62%が「短期的な利益より中長期のリターン」、61%が「リスクを考えた資産配分」を重視していた。資産を増やすことに積極的でありながら、中長期視点でリスクを分散させ、相続資産を含めて未来に継承することも重視している傾向があるという。

社会貢献に対しても積極的で、新富裕層の42%は社会問題や環境問題の解決に貢献する志向があり、48%が「福祉活動や慈善活動」への参加、52%が「ジェンダーやLGBTQ+、障害者の有無による差別もない世の中」の実現に対して意欲的だった。

また、自由に使えるお金が豊富であることから、消費にも積極的で、いわゆる「○○離れ」には若年層でも当てはまらなかった。新富裕層の若年層が1カ月間で生活費以外に自由に使える金額は平均58万円と、新富裕層の他の世代と比べても多く、消費にも積極的な実態がわかる。

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