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壇蜜さん「広告のお仕事に呼ばれたら、きちんと『おつとめ』を返せるような存在でありたい」──私の広告観(3)

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「宣伝会議」2013年12月1日号紙面より抜粋

ありのままの壇蜜で楽しんで

デビュー当時から続けているブログは、一日一回更新しています。般若心経ではありませんが、毎日の“おつとめ”のようなものなんです。祖母が昔、毎日仏壇の前に座ってお経を唱えるのを見ていたことも影響していると思うのですが、毎日必ずできることを自分で決めて実行していると、一日一日をしっかり生きているという気がして。お風呂に入ったり、ごはんを食べたりといった生理的なことではなくて、自分だけが決めていることを一日一回必ずする、ということに意義を感じるんです。

神さまと言うと大げさなのですが、そういう人智を超えた存在が常に自分たちを見ている、という感覚が小さい頃からあって。一日の終わりをブログで締めくくることを通して、毎日をきちんと過ごすことを大切にしています。

ブログのIDは、本名のshizukaなんです。シズカの気持ちで綴った言葉と、壇蜜の目で切り取った写真が、良い意味で同居している気がします。

私がブログを書く時には、いくつか約束事があります。
(1)一日一回更新する。
(2)番宣を含め、目立った広告・PRはしない。
(3)具体的な商品名を書かない。
(4)他人の顔がはっきり分かる写真は載せない。

そこに存在しているだけで、さまざまな人がいろいろな感情を持つということがわかってきましたから、壇蜜として仕事をしていくうちに、活動の幅を広げるうちに、誰かを傷つけるようなことはしたくない。そのような思いから、ルールを設けて更新を続けています。

ブログでは週に一度、「週末のおてがみ」として、手書きの手紙の写真を掲載している。「以前は週に一度『週末のおつとめ』と題した20秒くらいの動画を投稿していたのですが、昨年4月に動画投稿機能がなくなってしまって。代わりに始めました。週に1回、何かデジタル文字以外で伝えられることを。手作りで、写真を使うもので、週1回続けられるものをと考えて、お手紙にたどり着きました」(壇蜜さん)。

自分のことを良からず思っている人がいることを、認識しているのとしていないのとでは大きな差があると思うんです。事実を受け入れながらも、無関心にならないことで、また違った言葉の紡ぎ方ができるような気がします。

私とファンの方との大事な接点として責任を持って使いたいので、フェイスブックやツイッター、LINEはやらず、ブログ一本に絞っています…という名の面倒くさがり屋なんですが(笑)。ブログでは、自分の日々の“おつとめ”を公開して、それを見た人にクスリと笑ってもらえたら嬉しい。壇蜜のありのままの日常に寄り添って、楽しんでいただきたいという思いが根底にあります。

自分の代わりはおそらくどこかにいて、自分もまた誰かの代わり。それを悲しむことなく、今与えられたお仕事に粛々と向き合うこと。流行れば廃るということ、あるべきところに帰る時がくるというのも知った上で、今ここにいる私の姿を見ていただけたら嬉しいですね。

「宣伝会議」2013年12月1日号紙面より抜粋

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