博報堂でコピーライター・クリエイティブディレクターとしてキャリアを重ね独立、クリエイティブエージェンシー・no problemを立ち上げるなど、広告クリエイティブの領域で活躍する小霜和也氏が、2014年の秋に総合映像コンテンツ制作会社であるAOI Pro.とコンサルティング契約を結んだ。その主な活動領域はオンライン動画だという。
小霜氏はオンライン動画の領域で何をしようとしているのか。AOI Pro.は、なぜテレビCMで実績のあるクリエイターである小霜氏と、オンライン動画の領域で契約をしたのか。そこを紐解くと、“オンライン動画”が現在抱える問題点と目指すべき未来が見えてくる。
no problem/小霜オフィス クリエイティブディレクター・小霜 和也 氏、AOI Pro. 常務取締役 グループCOO・中江 康人 氏、ビデオリサーチ テレビ事業推進部長 石松 俊之 氏に話を聞いた。
左から、no problem/小霜オフィス クリエイティブディレクター・小霜 和也 氏、AOI Pro. 常務取締役 グループCOO・中江 康人 氏、ビデオリサーチ テレビ事業推進部長 石松 俊之 氏
——小霜さんとコンサルティング契約を結んだ背景を教えてください。中江:
AOI Pro.は上場しているCM・映像制作会社です。今後、CM制作という事業が拡大する可能性が薄ければ、別の領域に活路を見出さないといけない。それがオンライン動画のビジネスでした。幸い、今まで培った映像制作のナレッジを活用し、マーケティングソリューションとして提供する事が出来ればビジネス領域が今より10倍にも20倍にも100倍にもなると思った。それをきちんとディレクションしてくれる人材が社内にはおらず、社長の藤原から話をさせていただき、小霜さんと一緒に開発に着手することになりました。
——コピーライターという経歴ですが、どうしてオンライン動画の仕事をやろうと思ったのでしょうか。
「ここらで広告コピーの本当の話をします。」著:小霜和也/発行:宣伝会議(2014/10/29発売)詳細はこちら
小霜:
昨年後半から、コンサルティングという形で様々な会社のクリエイティブ活動をサポートするビジネスを始めました。実はAOI Pro.が最初のコンサルティング契約でした。まだコンサル事業にどう取り組むか漠然と考えていたときに、藤原さんに話をしたら『とりあえず契約しようよ』って(笑)。多分、その時には藤原さんに明確なビジョンとかは無かったと思う。契約してから、じゃあ何をするかという具体的な話になり、テレビCMとオンライン動画のワンパッケージ化という方針に結びつきました。先日JAAの方もおっしゃってたんですけど、ここは多くの広告主の悩みになっているんです。テレビとモバイルとで動画を一本化すると理解や共感が高まるってデータはすでに出ているので、すごく興味あるし、やりたいんですよね。でも誰に相談していいかわからない。なので、AOI Pro.で受け皿を作るといいんじゃないかと提言しました。それとはまた別のところでビデオリサーチさんからも何かしましょうとお声がけをいただいていたので、ならばまずこの取組みにご協力いただけないですかと。
