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小霜和也氏がAOI Pro.とクリエイティブ・コンサル契約をしたワケ

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——動画を使ってインサイトを見つけるというのは、非常に新しいやり方ですね。インサイトを見つけるプロのコピーライターとしては、そういうことに対するご意見は。

no problem/小霜オフィス クリエイティブディレクター・小霜 和也 氏

小霜:僕は、今後コミュニケーションはデータドリブンが主体になると思う。でも一方、データは解釈だと思うんですよ。例えば、商品開発。調査の数字を鵜呑みにしてもうまくいかないことが多い。「最高のスコアが出ました」と言われていた商品が1ヶ月で棚落ち、なんてよくある話で。データ分析からより正確なインサイトを拾い上げてクリエイティブにつなげる、ある種「データクリエイティブ」といったものが必要になってくると思います。

中江:出てくるデータは、ただのデータにすぎない。その中にどういうストーリーが浮かび上がってくるのか、どういうインサイトが存在するのかというのは、あくまでも仮説。まさにデータを読む力、発想する力、解釈ですよ。だからどこをどう解釈して、どういう仮説を立てるのかが、これからのクリエイターに絶対必要なもの。アドコンテンツやコンテンツマーケティングでもいいのですが、結局そこにエモーションがないと、人は動画を見ようとも、接触しようとも思わない。だからますます面白いことをしなきゃいけない。データ分析に基づいたクリエイティブは、つまらないと思われがちですが、逆ですからね。データ分析し、仮説を立て、エモーションを最大化する。ここが小霜さんの考えとシンクロして、一緒にやりたいと思ったところです。

——データを検証するビデオリサーチさんの役割が、今後ものすごく重要になってくるということですよね。

石松::今の話でいうと、ビデオリサーチの中に2つの役割がありそうですね。1つは結果を公平に比べるための客観的な測定や指標。もう1つは、データの解釈とインサイトを発見するときのサポート。両方をビデオリサーチで提供できるメニューとして提示していかないと、と感じます。

小霜:ビデオリサーチさんはCMやテレビ番組など、人の生活を観ながらビジネスをしてきたカルチャーがあると思っています。朝の何時何分は何歳台の女性はだいたい洗面所にいるから何のCMを流しても効果低い、とか、そこまで分析できる会社って他にないですよね。こういった会社が、オンライン広告の評価基準を作れば、血の通った解釈というか、心にどれだけ響いたかという評価基準も盛り込んでくれるんじゃないかなと。そんな気がしています。

中江:これからは、様々な仕事がコンピュータによって自動化されていきます。その中でも、感性が必要なコピーや動画制作は、当面人間が手掛けていく仕事でしょうね。この分野に関しては、コンピュータは苦手です。データや数字だけじゃわからないセンスを僕ら人間が磨いておけば、永遠にコンピュータが人間に追いつけない世界で、勝負ができると思います。さらに今後は、制作会社やクリエイターにも「広告効果を最適化」することが求められると思います。広告の効果が見えてしまうのは本当に恐ろしいけれど、やらなければならない。そうでないと、クライアントから「君たちは必要ない」と言われてしまうかもしれません。


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小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)
Creative Consulting / Direction / Copywriting
1962 年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2014年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。