コラム

若手起業家、世界一周へ

フィリピン若手広告マンの将来展望に唖然

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フィリピン・マニラ首都圏のビジネス街「マカティエリア」

本格的に旅立つ前に3カ月間ほど、フィリピンにて英語を学ぶため留学していました。その間に、フィリピンの中堅広告会社で働く若者と仲良くなりました。彼はフィリピンで1、2を争う私立大学を卒業し、その中堅広告会社に就職して1年経った頃でした。

僕は彼とともに、彼の職場の同僚と一緒に会話をしていたのですが、彼らが近い将来、どこで働きたいかという話題になりました。ここまでは日本でもよく有りうる展開です。しかし、その後の彼らの会話は大きく異なりました。

「僕はあと数年働いたら、イギリスで働きたいね」
「イギリス? 僕は香港かシンガポールだな!」
「俺はアメリカ!」

そんな会話が飛び交っているのです。

マカティの地下道にあったコンサルティング大手アクセンチュアの企業広告

「どこで働きたいか?」をテーマに会話が始まったので、僕はてっきり国内ナンバーワンの広告会社への転職やら、違う業界への転職やらの話だと思っていたのです。

しかし、彼らの会話内容は大きく違いました。

「国」の話だったのです。

どこの国で働きたいか、それが彼らの話題の中心になっていました。

僕は日本の広告業界に若手の友人が多くいますが、会話の中でこんな話題の展開になったことはありませんでした。広告業界に限らずとも、このような会話は日本の若者では展開されないでしょう。

正直、僕は会話を聞きながら唖然としていました。

彼らは英語というスキルをしっかりと身につけているために、将来の選択肢が実にワールドワイドなのです。

「コカ・コーラ ゼロ」の広告に起用されていたのは安室奈美恵

広告業界は、ある種ドメスティックな仕事が多いと思いますが、彼らはそれでもいろんな国で仕事をして、学んで、そのノウハウを武器に色々な国で働きたいという会話を繰り広げていました。

23、24歳の青年たちの会話です。日本の23、24歳で、そのようなキャリアを考えている人がどれだけいるでしょうか? 僕の周りには少なくとも本当に数えるぐらいしかいなかったように思えます。

彼らはもちろん、同じアジアの日本の広告業界にも興味を持ってくれていました。彼らが僕に問い掛けました。「日本の広告会社で働くにはどうすればいい?」と。僕は「そうだね……。やはり日本語を話せることが求められると思うよ」

そう答えると、彼らは再び英語圏の国の話題に戻っていました。

もちろん、この話は広告業界に限らないことですが、日本の若者は国外という選択肢を常日頃あまり検討していないのではないかという懸念と、海外の優秀な人材が日本で働くのは本当に難しいことなのだと痛感しました。

楽天・ユニクロなどの社内英語公用化については賛否両論ありますが、彼らのような優秀な人材を呼び寄せるためには大きな有効策なのではないかと思います。

とても衝撃を受けつつも、考えさせられる出来事でした。

皆さんは、「他の国で仕事をすること」を真剣に考えたことはありますか?

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