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離島に滞在してPRを行う3人決定 「日本一の仕事」に注目集まる

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3人の枠に518人の応募が殺到した


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愛知県の離島で4カ月間過ごしながら、インターネットを通じて島の魅力を発信する人材の募集がこのほど行われ、選考を経て選ばれた3人が22日に発表された。選ばれたのは、関東在住で求職中の20、30代の女性3人。9月から約80日間を島で過ごし、それぞれが特技を活かして観光PRを行う。オーストラリアの州政府が2009年に実施した「世界最高の仕事」にヒントを得た取り組みで、愛知県が実施する。募集段階から全国メディアに数多く取り上げられるなど、早くもPR効果が表れている。

対象となるのは、同県の知多半島沖に浮かぶ佐久島、日間賀島、篠島。自然に恵まれ、名古屋からも日帰りで行ける距離にある。このほど選ばれたのは、元広告会社勤務の新里碧さん(27、東京都)、シンガー・ソングライターの竹内晴奈さん(27、同)、元フリーライターの奥山暁子さん(34、千葉県)。3人はそれぞれ「マニフェスト」を掲げており、新里さんは島での生活を漫画でブログに発表し、竹内さんは島のテーマソングをつくってライブ活動を行う。奥山さんは釣った魚を毎日料理するほか、漁師に特化した雑誌、月刊「漁師」を発行するという。3人には仕事の報酬として、月給30万3000円が県から支払われる。原資には国の緊急雇用創出事業基金が充てられる。島に「住む」か、「通勤」するかは自由だが、3人とも島に住む予定。

7月下旬の発表時から、マスメディア報道やインターネットを通じて話題となり、各島一人の募集枠に合わせて518人もの応募が集まった。書類選考で20人に絞ったのち、県職員や地元自治体、島の観光協会などからも参加して面接を行い、3人の採用を決めた。

今回の試みは、離島振興の一環として県が企画したもの。施策は2009年から実施しており、これまでは街頭PRなど一般的なキャンペーンを行っていた。担当していた県職員がオーストラリアの事例からヒントを得て、実施に至ったという。東海テレビプロダクションが募集の運営事務局を担当した。

オーストラリアの「世界最高の仕事」は、同国クイーンズランド州観光公社が実施したもので、ハミルトン島に半年間滞在しながら情報発信する管理人を公募して観光活性化につなげたもの。2009年のカンヌライオンズではダイレクト、PR、サイバーの3部門でグランプリに輝いた。

愛知県地域政策課の担当者は、「早くも話題になり、島の方々も喜んでいる。3人には地元に根付いた活動をしていただきたい」と期待を寄せる。9月5日には県知事を訪問してPR活動を行う。島での「勤務」期間は12月28日まで。