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コラム

ソーシャルメディア活用先進企業に聞く

【ソーシャルメディア活用(1)日本コカ・コーラ】「まずやってみて、そこから学んでいく」

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日本コカ・コーラは、「第二回ソーシャルメディア活用企業調査」(アジャイルメディア・ネットワーク=AMN調べ)でランキング1位となりました。ソーシャルメディア活用を始めた経緯から運用、効果測定の考え方に至るまで、同社の竹嶋朋子さんに聞きました。

一度始めたものは、中長期で運用する

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マーケティング & ニュービジネス iマーケティング & システムイノベーション マネジャー 竹嶋朋子さん

――ソーシャルメディアを始めた経緯を教えてください。

竹嶋 社として最初に本格的に実施した取り組みは、2007年5月に、モバゲーで「コークスキー」というアバターを作ったことです。それを配布していく中で消費者とブランドを絡めたコミュニケーションを行ったことが始まりでした。

コカ・コーラのマーケティングの考えとしては、製品ブランドの価値を定義して、それをどのようなメッセージで消費者に伝えるか、ということを中心に考えています。必ずしもソーシャルメディアありきで展開するのではなく、消費者を中心において、消費者の動向を見て、最もメッセージが伝わりやすいコンタクトポイントや接触方法を考えた上で、コミュニケーションを設計し、実行に移しています。

「ジョージア エスプレッソ ブラックス」という製品の事例をご紹介しますと、ボトル缶コーヒーで「ちょっとずつ飲んでもらう」ということが製品ブランドのコミュニケーションコンセプトでした。それに対してツイッターの「ちょっとずつ呟く」という特性と、メッセージの整合性がとれたので、GEORGIA_JAPANというアカウントでツイッターを始めました。

他のソーシャルメディアにおいても、それぞれいろいろなきっかけで始めましたが、根底には「一度作ったものは決して捨ててはいけない」という考えがあります。アカウントをキャンペーンの期間に合わせて、短期的に運営して終了ということはせず、コミュニケーションを永続的にとることを前提として活用しています。

私のミッションとして、各ブランド軸でのデジタル施策とは別に、ソーシャルメディアという横軸で横断的にも見ている立場にもありますので、組織として中長期的にソーシャルメディアを有効に活用していけるような下地や体制を整備しながら、その時に展開しているキャンペーンなどでも滞りなく使ってもらえるか、ということを考えて、各個別施策を見ています。

――その一つの形が「コカ・コーラ パーク」のソーシャル化ということですね。

竹嶋 その通りです。コカ・コーラ パークは巨大なCRMプラットフォームの側面も持った、弊社のコミュニケーションのプラットフォームで、会員が1000万人います。我々としては、一度関わってくださったお客様と永続的にコミュニケーションをとること目指している中で、コカ・コーラ、ジョージア、アクエリアス、爽健美茶といった複数の商品ブランドを束ねたコカ・コーラ社としてのインタラクティブデジタルプラットフォームを作りました。

そして今年の春からは、コカ・コーラ パーク内でツイッター、フェイスブック、ミクシィ、アメーバといった有力なソーシャルメディアの投稿・閲覧を行えるようにするなど、非常に大きなユーザーを抱えるソーシャルメディアとの連携を始めました。

我々の本業はあくまで清涼飲料の製造・販売なので、基本的には一人でも多くのお客様に一本でも多くわれわれの製品を飲んでいただくことが最終的な目的です。コカ・コーラ パークでは、複数の弊社のブランドに同時に触れていただくことができるので、そのブランド体験を通して、最終的に「コカ・コーラ」社全体のブランドを好きになっていたいただくことを目的にしています。

しかし、会員が1000万人いるとは言え、日本人が1億2000万人いるということを考えると、コカ・コーラ パークだけをやっていればいいということではありません。コカ・コーラ パークでカバーしきれない部分を、ソーシャルメディアの持つ「ユーザーとの繋がり」といった特性を活かして、相互作用させる必要があると考えています。