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コラム

若手起業家、世界一周へ

途上国を駆け抜けるアイスクリームおじさん

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こんにちは。
皆さんは素敵なバレンタインデーを過ごされましたか?
僕はツイッターやフェイスブック上で、9個のエアチョコを頂くことが出来ました!
…嬉しいような、虚しいような。

さて、僕は引き続きバングラディシュに滞在しています。
この後はいよいよ東南アジア巡りです。まずはタイに移動します。
(読者の皆さんの中に、東南アジアにお勤めの方がいたら是非コンタクト頂けたら!現地でお茶でも!)

バングラディシュの首都ダッカの街を歩いていると…
僕には見慣れた光景ですが、日本では見たことのなかった移動式アイスクリーム屋さんがいます。

 

そう、自転車一体型のアイスクリームショップなのです!

そして僕は“見慣れた”と言った通り、このアイスクリーム販売方法は、バングラディシュだけではありません。
これまでに中米、南米、中東、インドなどでその存在を目撃してきました。

 

 

赤色はインド、黄色は南米ベルーのアイスクリーム屋さんです。

ユニリーバ、ネスレなどの外資企業のアイスクリームブランドを中心に、
ローカル企業のアイスクリームメーカーも同様の販売方法を採用し、市場を争っています。
スーパーマーケットなどにあるアイスボックスの中は各社のアイスクリーム商品が混合していますよね?
でも、この自転車販売の場合、基本はメーカーごとに分かれているのです。
つまり、ネスレのアイス専用だったり、ユニリーバのアイス専用だったり、ローカル企業のアイス専用だったりするわけですね。
(残念ながら日本企業のアイスクリームは今のところ海外ではみたことありません……)

『これの仕組みはどうなっているの?』
というところで・・・バングラディシュ人に尋ねてみました!

どうやらアイスクリームメーカーが、労働者と契約し、直接販売をしているという方式のようです。
(メーカーと労働者の間に代理人がいるかはちょっとわかりませんでした)

毎朝、契約者が特定の場所(工場?倉庫?)へ行き、アイスボックス自転車を借ります。
そのアイスボックスの中に販売する為のアイスクリームを補充します。その個数をしっかりカウントします。

後は、契約者が街中を1日中販売して巡り、1日の最後に特定の場所へアイスボックス自転車を返しにいきます。
ここで売れた個数を計算して、個数×指定%の報酬を契約者が貰えるという仕組みになっているそうです。
指定%ですが、バングラディシュ人曰く、売り上げの5%~10%とのことでした。

アイスは質も値段もピンキリですが、安いモノだと10円から購入可能です。
バングラディシュではそれなりに美味しいと思えるアイスクリームも30~40円で購入できます。
(中には包装も何もなく、衛生面で心配なアイスもあります…僕は自己責任で食べていますが)

さて、なぜこのような販売方式を採用しているのでしょうか?
ここからは僕の推測です。
結論から言えば、停電リスクが大きなポイントなのでしょう。
停電が起こる場所では、大きなスーパーマーケット以外の小規模な売店では発電機などは置いてないでしょう。
そうすると、停電時にはアイスボックスが作動せずに、アイスクリームが全て溶けてしまうというわけです。
事実、僕はアイスが大好きなので、何処の国に行っても食べているわけですが、
停電が起こるような国では、購入前に気をつけています。
そのアイスが過去に溶けた形跡がないかどうかは包装の上から手触りで判断するのです。
トルコで購入したアイスは、前に溶けていたようで、成分が分離して酷いことになっていました…。
つまり、アイスクリームメーカーはこの停電リスクを回避するために、アイスボックス自転車販売という仕組みを考えたのですね!

お見事なのはユニリーバやネスレが、停電リスクがあるアイスクリームというカテゴリでもしっかりと地元に根を張って活動していることです。彼らの製品は世界中で見ることができます。
本当に彼らは凄い。日本企業もなんとか頑張って欲しい…。

ちなみにアイスボックス自転車のアイスボックスですが、これは電化製品ではなく、保冷剤などで中を冷やしているとのことです。ですので、恐らく契約者が返却を忘れて翌日なんかになると全て溶けちゃうわけですね…。

その際の責任は契約者にあるそうで、溶けたアイスクリームを弁償する必要があるとのことです…!
もし、海外旅行中にアイスボックス自転車のオッチャンを見かけたら、
溶けないようにサッと取り出すようにしましょうね!

以上、バングラディシュからアイスクリーム自転車販売についてでした!

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