【アドフェスト2012】フィルム部門、デザイン部門でも最高賞獲得

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20日閉幕したアジア太平洋広告祭「ADFEST(アドフェスト)2012」フィルム部門で、最高賞の「ベスト」を長崎県・質庫ぜに屋本店の企業CM「侍」編ほか4編(企画制作/電通九州)が受賞した。デザイン部門では海野海藻店(茨城・大洗)のパッケージと海苔自体にデザインを施した「DESIGN NORI」(企画制作/I&S BBDO)がベストを獲得した。そのほか革新性を顕彰するイノーバ部門の最高賞「Grande」はグーグルの「未来へのキオク」が、地域に根ざす広告を表彰するロータスルーツ部門Grandeはタイ・プーケットから東日本大震災の被災者にメッセージを送った「Dear Japan, from Phuket」に贈られた。いずれも企画制作は博報堂ケトル。ディレクターを顕彰する「ニューディレクター部門」ではBISの箱守恵輔さんが最高賞にあたる「コメンデーション」に選ばれた。

【フィルム部門・ベスト】主人を慕い続ける質草の想いを描く

長崎 質庫ぜに屋本店「侍」編、「紳士」編、「婦人」編、「ロッカー」編

アドフェスト2012のフィルム部門最高賞を受賞したのは、長崎駅前に店舗を構え、2012年で創業64周年を迎える「質庫ぜに屋本店」のテレビCM「ロッカー」編ほか4編。三代目の藤本伸社長が「若い世代に質屋のよさを伝えたい」と08年に始めたシリーズの第二弾で、2011年10月から放送している。

九州、特に福岡は質屋のCMが目立つが、「高く買い取ります」「安く売ります」というディスカウントストアのようなメッセージを伝えるものが多い。企画とコピーを手がけた勝浦雅彦氏(電通九州=制作当時)は藤本社長と話し合い、「質草に見合う金額を一時的に用立てる」質屋本来のシステムを世に広めようとCM制作を臨んだ。

4編では刀、カメラ、着物、ギターの4品を侍、老紳士、婦人、ロッカー風の青年に擬人化。青年は各編で、ほかの質草たちの思い出話に耳を傾ける。「もし持ち主が迎えに来なかったら?」と尋ねるも、「主君を信じるが武士の務め!」(「侍」編)、「信じてますから」(「婦人」編)と、質草たちは持ち主を強く慕居続ける。ストーリーを締めくくる「ロッカー」編では、青年も「アイツとは最高のコンビだったな…悔しいけど」と自らのエピソードを語り始める。

勝浦さんは「日本人の持つ心根―人を信じる心、他者を思いやる気持ちを描きたかったんです」と振り返る。撮影場所は福岡市の劇場。舞台で質屋の倉庫を表現するアイデアは「学生時代から演劇が大好きで、いつかその世界観でCMをつくりたいと思い続けていた」のが発端。演出の岸浩一郎さんも演劇好きで意気投合、出演者らも皆、舞台経験を持つ役者たちだ。東京と福岡で200人近くオーディションして選出した。

オンエア後は来店者が増えただけでなく、店頭で若い来店者が話題にするなどの手応えもつかんでいるという。

【スタッフリスト】
○企画制作/電通九州+ティーアンドイー○CD/植原政信○企画+C+作詞/勝浦雅彦○PR/佐々木貴明○演出/岸浩一郎○撮影/伊東竜平○PM/疋田仁志、若浦裕樹○HM/中垣千恵子○ST/岡嵜裕子、清水礼子○小道具/守田かおり○照明/境博行○録音/右田守起○編集/山村祐介(オフライン)、向克明(オンライン)○MA/松本知久○映像効果/小島卓○美術/神原徹哉○CAS/藤沢美由紀○音楽PR+作曲/松尾謙二郎○演奏/清川進也○歌/Nomson Goodfield○出演/市原朋彦、常泉忠道、澤井孝子、真白ゆか、辻本一樹、野村哲弘

アドフェスト2012各部門の日本からの受賞作は以下の通り。

【フィルム部門】

[ベスト]
質庫ぜに屋本店「侍」編ほか4編/電通九州

NWS_zeniya_01 NWS_zeniya_02

[ゴールド]
グーグル「OKGo – All Is Not Lost」/博報堂
サンシャインサカエ「タクシー」編/アサツー ディ・ケイ
東芝「10年カレンダー」編/電通
NTTドコモ「森の木琴」/ドリル

[シルバー]
ライオン「タイムスリップ家族」/電通
「Dear Japan, from Phuket」/博報堂ケトル

[ブロンズ]
インテル「The Museum of Me」/Projector
日本ユニセフ協会「ハッピーバースデイ 3.11」/Camp-KAZ
マンダム「PORTRAIT」編、「SLEEPING」編/葵プロモーション
レストラン・エクスプレス「Dog」編/電通

【アウトドア部門】

[シルバー]
アディダス ジャパン「adidas×GIANTS 2011 all passionプラネタリウム」/TBWA\HAKUHODO
東芝「10年カレンダー」/電通
JR東日本「東北新幹線 行くぜ、東北」/電通

[ブロンズ]
TOTO「TOTO TALK 2011」/電通
アド・ミュージアム東京「DESIGN FEVER! D&AD2011展」/電通関西支社

【ラジオ部門】

[シルバー]
日本マクドナルド「NOW EVEN WILDER」/エムアイティギャザリング

【サイバー部門】

[ベスト]
インテル「The Museum of Me」/Projector

[ゴールド]
グーグル「OKGo – All Is Not Lost」/博報堂
グーグル「Google Puzzle」/博報堂
サントリー 天然水「Recycloop」/博報堂アイ・スタジオ
トヨタ自動車「Toy Toyota Backseat Driver」/PARTY
NTTドコモ Touch Wood「森の木琴」/ドリル
本田技研工業 インターナビ「Connecting lifelines」/Shipoo

[シルバー]
Androp「Bright Siren」/PARTY
Androp「Bell」/PARTY
グーグル「未来へのキオク」/博報堂ケトル
サムスンテレコムジャパン GALAXY SⅡ「SPACE BALLOON PROJECT」/博報堂
ドミノ・ピザ ジャパン「エクセレント トラッキング クイズショー!」/アサツー ディ・ケイ
ナイキジャパン「NIKEiD FRIEND STUDIO」/バスキュール

[ブロンズ]
Bell Androp Party Inc. Tokyo Bron
講談社「みんなのしおり.jp」/博報堂+TBWA\HAKUHODO
サンディスク「ストリートカメラ」/朝日広告社
日産自動車「The Planet Zero」/ENJIN
リコー「CX5 フォトコマ BIG CAMVAS」/電通
(スマートフォンアプリ)「Tiny Riot」/nuuo

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