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世界でもっとも倫理的(エシカル)な会社とは(2)

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『世界でもっとも倫理的(エシカル)な会社とは(1)』はこちら

エシスフィア・インスティチュート

エシスフィア・インスティチュートは、ビジネス・エシクス(企業倫理)や企業の社会的責任、腐敗防止、持続可能性におけるベストプラクティスを推進する国際的なシンクタンクだ。エシスフィアが世界でもっとも倫理的な企業(WME)を称える取組みを始めたのは6年前。今年で6回目を迎えた。

選ばれる企業はシスコやフォードやティンバーランドのようなアメリカの大企業から、エシカル・フルーツ・カンパニー(英)のような小さな企業までさまざま。日本やパナマといった海外の企業も選ばれている。

世界でもっとも倫理的(エシカル)な企業の3条件

さて、気になるのはその選出基準だが、エシスフィアによると、そのポイントは3つ。

ひとつめは、法律で定められた最低限のコンプライアンスを超えた自主基準による取組み、ふたつめは公共的な利益のためにイノベイティブなアイデアを取り入れていること、そして、3つめは競合する企業の模範となっていることとなっている。

日本におけるコンプライアンスの第一人者、郷原信郎氏は「法律は社会の必要に応えるためにつくられたものだが、法律を守るだけではコンプライアンスにはならない」と言う。その理由は、「法律は過去につくられたものなので、常に変化する現代社会においては、社会の要請に応えられない」ためだ。WMEで法律を超えた取組みを評価しているはそのためだ。また、企業や業界のなかでは当たり前とされていることが、社会にとって不利益な場合もある。なれ合い的な商習慣や談合や不正なカルテルなどがそうだ。それを防ぐ意味でも、変化を恐れないチャレンジ精神を奨励するのがふたつめの「イノベイティブなアイデア」というポイントになる。

最後の3つめ「競合の模範」とは、すなわち追随されていることだ。正しい行いによって、ビジネス上、競合他社のほうが有利になるようでは取組みを持続できない。つまり、エシカルな取組みであると同時に顧客の利益になり(マーケティング上有利)、収益性が確保されていなければならないということだ。

グローバル市場において、倫理(エシカル)はより重要度を増す

企業市民としてのあり方が企業のブランド力にとって決定的なものであることを物語っている。エシスフィアの代表、アレックス・ブリガムは「毎年関心が高まっている。今年の受賞者たちは、強い倫理的なプログラムをもつことがビジネスモデルの成功にとっての要となっていることがわかっている。そして、環境が変わろうとも細部までしっかりとした取組みにしていくだろう。加えて、今年の受賞企業の顔ぶれから、企業倫理が国際的には、さらに重要になっていることがわかる」。

アフラック、アメックス、GE、スターバックスなど業績を伸ばしている企業23社が6年連続受賞している事実からもそれがうかがえる。

では、日本では企業倫理を称えるアワードはあるのだろうか。実は、日本でも「誠実な企業」賞2012-Integrity Awardの表彰式が3月22日に開催されたばかりだ。では、その受賞企業はどんな顔ぶれなのだろうか。また、日本の企業倫理に関するアワードはどんな変遷をたどってきたのだろうか……。
(世界でもっとも倫理的(エシカル)な会社とは(3)に続く。)

【連載】

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