名古屋発「コメダ珈琲店」はなぜ、全国で愛されるのか?~地域から全国へ広がる企業のマーケティング<前編>

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4月15日号「宣伝会議」の巻頭特集は、「今、“地元消費”を捉える」。地元で愛され、地元に住む人々の消費を喚起しているショッピングモール、地域で人気を集め全国に進出した商品・企業を多数紹介しています。

ここでは、名古屋で1968年に創業し、年間40店ペースで全国に店舗を広げている喫茶店「コメダ珈琲」のほか、高知でよさこいチームを運営しながら和雑貨などを製造してきた「ほにや」(高知)、「かんてんぱぱ」で知られる寒天メーカーの伊那食品工業(長野)、「レモン牛乳」を製造する栃木乳業(栃木)の取り組みを前編・後編にわたりダイジェストでお伝えします。

年間40店ずつ増加、コメダの喫茶店文化は全国へ

「コメダ珈琲」といえば、名古屋で知らない人はいない喫茶店だ。コメダのメニューといえば、名古屋の喫茶店ではおなじみの「モーニング」(コーヒーを頼むと、ゆで卵とトーストがついてくる)はもとより、コーヒー+「シロノワール」(デニッシュパンにソフトクリーム、シロップをかけたもの)の黄金メニューの組み合わせで知られている。

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コメダ珈琲の王道メニューはコーヒー+シロノワール

1968年の創業以来、地元・名古屋でこよなく愛されてきたコメダ珈琲だが、今では全国435店舗を展開している(2012年2月末時点)。そのうち330店舗は東海3県にあるが、北陸・近畿・関東甲信越・四国にも出店してきた。ちなみに関東では2003年6月にオープンした、横浜江田店が最初の店舗にあたる。現在は池袋といった東京の都心でもコメダを見かけるようになった。

驚くべきは、年間40店ペースで店舗を増やしている点だ。以前は年間の新規出店数は15~20店舗だったのが、近年は出店ペースを加速させている。実はオーナー会社からファンド会社に経営が移行したという背景もあるが、「日曜の午前中には、家族で喫茶店を楽しむ」「モーニングサービス」「ゆったりとした長居しやすい空間」といった名古屋の喫茶店文化をそのまま他の地域へ持ち込んだことが成功のひとつだと言える。

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北陸・近畿・関東甲信越・四国にも出店中

『名古屋の品格』といった著書で知られ、名古屋の風土や経済に詳しいエディットハウスの岩中祥史氏(名古屋育ち東京在住)によると、コメダは日本で失われてしまった「地域社会の活気を呼び戻す、貴重なくつろぎの場」といった機能を果たしているのではないかと考えられるという。これにより、スターバックスやタリーズ、ドトールといった他のカフェチェーンとは異なるポジショニングを獲得しているのだ(詳しくは本誌にて、4ページにわたる岩中氏の「コメダ」論をご覧いただきたい)。

世界を舞台に踊る!よさこいと共に歩む和のブランド

高知市に本社を置く「ほにや」は、オリジナルの和雑貨ブランドを展開するかたわら、「よさこい」の入賞常連チームを率いるユニークなメーカーだ。直営店は高知や愛媛のほか、東京・銀座にも8年前から進出している。全国の百貨店の催事でも販売しており、バッグや小物を中心に40~50代女性にファンが多い。

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銀座松坂屋にある直営店。東京へ進出したのは8年前のこと

ほにやの代表取締役・泉真弓氏がよさこいのチームを立ち上げたのは、約22年前のこと。東京・原宿で毎夏に開催されるイベント「スーパーよさこい」にも2001年の初回から11年連続で出場、夏から秋にかけては全国の祭りを駆け回る。最近では海外にも活躍の場を広げ、2011年にはカタールで開催されたサッカーアジアカップに招かれ決勝戦のピッチで応援演舞したほか、今年は台湾やタイのイベントにも出演した。

最近では、地元の料亭や県内外のホテルの内装コーディネート、JA全農こうちの「土佐茶」など名産品のパッケージデザイン、ユニークなところでは四国限定の「ゆうパック」や、高知医療センターのドクターカーのデザインも手掛ける。また「京はやしや」「柿の葉寿司ヤマト」「五感」といった関西エリア発の飲食店などのユニフォームデザインも、ほにやによるものだ。

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海外でよさこいを披露する機会もある

和雑貨のデザインも「よさこい」の踊りも、根底にあるのは「日本の、そして高知の良さを伝える」という地元への強い愛と誇りである。泉氏は「2012年は、ワンランク上のブランドを立ち上げる予定。来年1月の香港ファッションウィークにも出展できれば」と海外進出も見据え、フランチャイズ展開も視野に入れている。

後編(4月17日更新予定)に続く



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