コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

実験を、しよう。【前編】

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森 オウジ(フリーライター・編集者/編集・ライター養成講座2005年大阪教室修了)

森オウジさん1

人生の大半を過ごす仕事場。執筆だけの日は1日14時間ぐらい居る。Macは上京当時のもの(なんとか動く)。大きいディスプレイが仕事がしやすいのでお気に入り。

みなさん、はじめまして。フリーで編集者/ライターをやっている森オウジと申します。

3年前、100万円とMacを持って東京に出てきました。コネもなければ実力もない。もちろん成功する保証はない中で、自分はどこまで物書きとしてやっていけるか。その実験をしたかったんです。現在、実験まっただ中ですが、その様子を皆さんにお伝えしようと思います。

関西では映画関係の編集を主に、東京に出てきてからは、カルチャーやビジネス、時にはサイエンスも交えながら、インタビューを中心とした仕事をWeb、紙問わずにこなしていきました。そしてその中でも絶えず、いつも実験していました。今もそれは変わりません。
 
今の僕のメインの仕事は、書籍における「構成」と呼ばれるライティングと、編集です。構成は、その本の著者にインタビューをして、本の中身を執筆して演出する仕事です。そして編集は今の世界において、どんな情報こそが必要か、そしてどんな著者にこそ光が当たり書かれるべきかを考えて、本が誕生するきっかけを生み出す仕事です。

AMA.島根県の離島・海士町の風景

『僕たちは島で、未来を見ることにした。(仮)』の舞台となる島根県の離島・海士町の風景。著者の彼らはいつもこんな風景を見て、出社する。非常にうらやましい。

今ちょうど制作しているのは、海士町という島根県の離島でベンチャー会社を起業した若者たちの冒険起業譚である『僕たちは島で、未来を見ることにした。(仮)』という本です。グローバル化で英語が叫ばれる中で、日本の地方の、しかも方言が公用語の場所に行って起業する若者って面白い。彼らの、いわば逆行的な生き方の面白さを、多くの人に伝えたいと思ったんです。

そして彼らは僕の友人でもある。まだ僕が東京に出てくる前、彼らの島に行って、そこで島の音楽祭をいっしょにつくったんです。いわゆるワークスタイルも、働く環境も、つくっているものも、まるで違うことをしているやつらが、同い年だと気づいた時には本当に驚きました。その僕の驚き、感じた新しさ、そして日本の未来における新しい地域の考え方をその1冊に閉じ込めました。

自分の感動が、彼らの本づくりという実験を通して1冊の「モノ」になる。そしてその1冊が誰かの人生を変えるかもしれない。この楽しさが本づくりの醍醐味だと思っています。
 
僕はこの実験的な姿勢こそを「編集・ライター養成講座」で学んだと言えます。僕は到底、真面目な生徒ではありませんでした。先生の言うことを聞いて、その通りに結果を出そうとは考えていなかった。それよりむしろ、誰も見たこともないものを勝手に生み出して、先生を脅かしてやろうとばかり思っていました。

全然真面目ではありませんでしたが、あの講座の先生方の中には卒業後も連絡をくれ、お仕事をご一緒する関係になれた方もいます。そしてフリーライターになってからも、そんな実験をずっと続いています。

やっぱり実験的なものが一番おもしろい。何が起こるかわからない、ざわざわした感情を閉じ込めた1冊は、必ず誰かを動かすはずだと信じています。これからもずっと、そんな1冊を作っていきたいと思っています。
 
[後編はこちら]

森オウジさん
森オウジ(もりおうじ)
京都生まれ。STUDIO VOICE、CINRA.NETなどのカルチャーメディアをはじめ、ダイヤモンド・オンラインやプレジデントといったビジネス寄りのメディアまでで、インタビュー記事等を執筆。書籍ではスープデザイン・尾原史和著『逆行』(ミシマ社刊)、成毛眞著『成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈』(KKベストセラーズ刊)などに携わる。直近では阿部裕志・信岡良亮著『僕たちは島で、未来を見ることにした。(仮)』(木楽舎刊・予定)ほか2冊の発売予定のものに関わる。目下の興味は、サイエンスライターとして活動を広げること。

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プロになった修了生が語る「私がライターになれたワケ」
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