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2012年「日本の広告費」、3.2%増の5兆8913億円 増加は5年ぶり

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マス4媒体で2.9%増、衛星メディアは2ケタの伸び、ネットは堅調

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電通が21日発表した2012年の総広告費「日本の広告費」によると、昨年の国内広告市場は前年比3.2%増の5兆8913億円だった。ロンドンオリンピック後の景気後退で減少傾向が見られたものの、2011年後半からの震災復興需要を受けて2012年前半は好調、通年での総広告費は5年ぶりに増加となった。東日本大震災前の2010年の水準を上回るなど、国内広告市場は活性化傾向にある。

媒体別にみると、テレビが前年比3.0%増の1兆7757億円で2年ぶりに前年を上回った。内訳はスポット広告費が3年連続で増加の1兆562億円(前年比3.0%増)、番組(タイム)広告費が7195億円(3.1%増)となった。業種別では、21業種中16業種で前年を上回った。「自動車・関連品」(33.5%増)「情報・通信」(15.2%増)など5業種が2ケタ増、構成比の大きい「食品」(6.5%増)「化粧品・トイレタリー」(3.5%増)も増加した。

このほか新聞が4.2%増の6242億円。2012年前半は復興需要や消費マインドの復調、また震災の影響の反動から、新聞広告費は好調に推移し、前年比で10%近い大幅増となった。しかし、後半は円高や欧州危機などが重なり、前年を若干下回り通年では4.2%増にとどまった。業種別では特に伸びの大きかった業種は、「エネルギー・素材・機械」(前年比16.2%増)、「飲料・嗜好品」(16.1%増)、「化粧品・トイレタリー」(14.8%増)、「官公庁・団体」(14.6%増)など。

このほか雑誌は前年比0.4%増の2551億円、ラジオは0.1%減の1246億円とほぼ横ばいで推移した結果、マスコミ四媒体広告費は2.9%増と前年を上回った。

衛星メディア広告費(13.7%増)は前年に続いて2ケタ増を維持した。内訳はBS(22.0%増)によるものが大きく、CS(2.0%増)は微増、CATVは0.7%増だった。2011年7月の地上波テレビのデジタル化移行で対応テレビへの買い換えが促進されたことや、2012年のロンドン夏季五輪も追い風となりBSの視聴者が増え視聴率の向上とともに広告出稿が増加した。BS放送での視聴は地上波テレビとは異なるM2・F2(男女35~49歳)以上の中高年向けの編成が定着化したことで、これらの層を対象にした大手広告主(消費財で高価格帯の商品・耐久財・サービス)の新規出稿や出稿額が2011年以上に増加し、引き続き好調な通販広告とともに各局の売り上げを拡大させた。

DSPなど「運用型広告」がインターネット広告媒体費で2ケタ増

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インターネット広告費は、7.7%増の8680億円。内訳は、媒体費が7.1%増(6629億円)、制作費が9.5%増(2051億円)となっている。

媒体費では、今回から従来、「検索連動型広告」としていた小分類にアドエクスチェンジやDSPなどを含め「運用型広告」を設定した(ただしタイアップやアフィリエイトは含まない)。運用型広告単体で見ると、3391億円で前年比18.9%増と高い成長を遂げている。一方で、これまでの“枠売り”の広告は「情報・通信」などの主力業種を中心に引き続き堅調ではあるものの、次第に伸びが横ばいに近づきつつある傾向が見られる。

制作費は2011年が前年比12.2%増であったため、成長率は若干鈍くなった。震災等の影響はかなり小さくなってきたが、制作単価の下落やフィーチャーフォンサイトの制作件数の落ち込みなどが成長率の鈍化要因となった。一方で、スマートフォンの普及やタブレット端末などの多様化により、アプリの開発や専用サイトの制作件数は増加している。FacebookページなどSNS関連の制作件数も大きく増加した。

このほか、総広告費を業種別で見ると、21業種中16業種で増加、5業種で減少した。特に大幅に増加した業種としては、「自動車・関連品」(26.9%増、軽自動車、2BOXなどが増加)、「情報・通信」(10.5%増、スマートフォンサービス、衛星放送、ウェブコンテンツなどが増加)の2業種が目立った。

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