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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

そのことは書きたくなかった――だけど多くの人と繋がれた【前編】

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岡崎杏里(エッセイスト、フリーライター/編集・ライター養成講座 総合コース 第13期2006年春 東京教室 修了)

講座での出会いが転機に

私の人生は、「編集・ライター養成講座」に通ったことで大きく変わってしまいました。

新卒で編集プロダクションに入社、その後マーケティング関連の雑誌や書籍を扱う出版社に転職。講座に通いはじめたのは、2社目の出版社で自分の力不足を感じ「編集者やライター」の仕事をきちんと学んでみようというのが動機でした。まさか講座修了後にフリーランスのライターに、ましてやエッセイストとして自分の本を出版するなんて、みじんも思っていませんでした。なので、今の状況に一番驚いているのは、自分なのかもしれません。そして、そこで出会った人々が私の人生を大きく変えたのです。

今の私があるのは、認知症の父とガンを患った母、その両親の介護と看病の日々を一人娘として向き合い、父を支えてくださっている介護の現場の人々のことを書いた、講座の卒業制作がきっかけです。

はじめは違うテーマで卒業制作を書くつもりでした。それなのに、「両親の介護と看病の日々」についての企画書も一緒に提出していました。きっと自分の中で辛かった日々を見つめ直して、一区切りつけたいという思いがあったのでしょう。

多数決で決まりかけた企画

卒業制作についてのプレゼンテーションで2つの企画について話し、受講生の多数決でテーマを決めることにしました。すると、プレゼンを聞いた受講生の全員が私の趣味について書く企画のほうに手を挙げました。自分の含め20~30歳代の多い受講生には、やはり「介護や看病」のことがピンと来ないのか、あるいは暗いテーマだと思われてしまったのか、楽しげな趣味のテーマのほうが、受講生たちにはウケていました。

自分としても「両親の介護と看病」の企画を出したものの、辛かった日々のことをさらけ出すより、趣味のテーマで書いた方が気持ちは楽だろう、とみんなが出してくれた結果を受け入れようとしました。ところが当時、奥様の介護をされていた講師の伊藤寿男先生*が「絶対に介護のことを書きなさい!! それに励まされる人がいるから」と、強くおっしゃったのです。伊藤先生のひと言に心が揺さぶられ、多数決で決まりかけていたテーマは取りやめ、やはり両親の介護と看病について卒業制作を書くことにしたのです。
そして、その決意が予想もしなかった、今に繋がっていきます。

* 伊藤寿男氏――テーミス 代表取締役社長・編集主幹。講談社在籍時に『FRIDAY』創刊し、編集長を務めた。月刊『現代』、『週刊現代』各誌の編集長を歴任。

※岡崎杏里さんのブログ「続・『笑う介護。』」

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