【この記事のコンテンツ】
- 「データ活用で、コミュニケーションはマスからパーソナルへ」
日本ヒューレット・パッカード株式会社 デジタルプレスビジネス本部 市場開発部 部長 小池 亮介 氏 - 「ウェブサービスは、”人間”が主流になる」
株式会社ANALOG TWELVE 取締役CEO 内山 英俊 氏 - 「データを最大限に利用するための体制づくりが急がれる」
株式会社 オウルデータ 代表取締役社長 太田 祐一 氏
「ウェブサービスは、”人間”が主流になる」
株式会社ANALOG TWELVE 取締役CEO 内山 英俊氏
マーケティング学者、ジョン・グッドマン氏の法則によると、商品やサービスに不満を抱く人のうち、企業へ直接苦情・クレームを言うのは4%にすぎない。残りの96%は、不満をクチコミとして波及させる。その効果は、ソーシャルメディアが普及した現代では、1980年代と比べて倍増している。この法則を1万人の顧客でシュミレーションすると、2万5600人に悪評が伝わる可能性があり、二次、三次的な波及まで考慮すると最悪のケースで40万人にまでおよぶ恐れがある。
もし、悪評が立った瞬間に対応することができれば、その波及効果を抑えることが可能だ。さらに、企業側から能動的に働きかけ「クレーム、苦情、疑問をきっかけにプラスのクチコミサイクルを回していきましょうというのがアクティブサポートの基本的な考え方です」とアナログトゥエルブの内山英俊氏は言う。
とはいえ、ソーシャルメディアだけに頼ったアクティブサポートの運用は意外に難しい。ソーシャルメディアを利用した単なる顧客満足度向上策にとどまらず、電話、メールも含めたコミュニケーションにより、能動的で積極的な感動体験を生み、それを波及させるものを「最強の」アクティブサポートと定義。その運用のため、間口を拡大する戦略として「サテライトアカウント戦略」、「マルチチャネル戦略」、「ビッグデータ戦略」、「人材プール戦略」を挙げた。いずれも複数の選択肢を持ち続け、最適なものをピックアップする考え方で、必須のものとする。どれかひとつでも欠けるとほとんど効果がないどころか、炎上のリスクもあるということが同社の経験からわかっている。
内山氏は、ウェブサービスの未来は「人間系」が主役になると予想する。「アクティブサポートというと、顧客対応で、コストセンターのようなイメージがあるかもしれない。でも、むしろそれが今後の新しいマーケティングの手法になっていくのではないか」(内山氏)。“人間”が主流になる未来のウェブサービス、アクティブサポートがその先駆けになるとしてセミナーをまとめた。
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