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コラム

CSR視点で広報を考える

台風にも見られる異常気象とその被害影響

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大型で強い台風26号が16日関東一体を襲い、記録的な豪雨により洪水や土砂崩れが発生、家屋倒壊、多くの行方不明者や死亡者を出した。また、その被害は鉄道や空路にも及び、交通の遮断により多くの影響が出た。

気象庁によれば、今年の台風発生は既に28号、2004年の異常発生数であった29個に次ぐ過去10年の最大発生数となっている。同様に本土への接近数も、2000年以降では、2004年の12回に次いで2番目の8回に及んでいる。27号、28号が接近すれば一気に10回となる可能性も出てきた。

東日本大震災の影響で、今後発生する可能性のある東京湾北部地震や南海トラフ地震などに話題は集中しがちであるが、水にまつわる災害は後を絶たない。巨大地震には津波の被害は切り離せないし、台風による洪水、ゲリラ豪雨による氾濫、土砂崩れなどによる被害は、多くの浸水被害や死亡者を出している。

気象庁では、災害の危険性が高まると、「防災気象情報」を発表し、その程度によって「注意報」「警報」「特別警報」で喚起する。特に今年8月30日より運用を開始した「特別警報」では、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合に命を守る行動を呼びかける予報となっている。

台風やゲリラ豪雨などによる「大雨特別警報」では、崖崩れ、土砂災害、土石流などの山腹の崩壊発生が危惧される場合、急傾斜地の麓にある家屋などは浸水、流失の危険性があり、直ちに避難する必要がある。家屋の位置や土地の形状などによっても避難方法や避難時間が限られていることもあり、適切かつ速やかな避難行動が求められる。

こうした背景の下、地元の河川・地域事象や地形に詳しい市区町村は、気象庁の「防災気象情報」の発表とは別に「防災避難情報」を発表している。「防災避難情報」は地域の個別情報・特異性を考慮して、危険度を総合的に考え、避難が必要と判断した場合は、危険区域の住民に対して、その危険度に応じて、「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」を発表している。

防災システム研究所(東京都港区)では、こうした避難行動に関して、以下の注意事項を示している。

【緊急避難の心得】(一部抜粋)

  • 防災気象情報と防災避難情報に注意する。
  • 車で避難しない。時間あたり20ミリ以上の降水量でワイパーとブレーキは効かない。
  • 浸水が40~50ミリになると外開きドアは開かなくなるため、早期自主避難が大切。
  • 浸水が進行すると歩行が困難となる。成人で30~50cm以上になると歩行困難となる。そうなったら無理をせず救援を呼ぶか救助を待つ。
  • 「遠くの避難所より近くの2階」。
  • 避難するときは隣近所に声を掛け合って避難。
  • 避難者同士それぞれがロープをつかんで避難。
  • 荷物は最小限にし、極力両手を開けて避難。

【土砂災害(崖崩れ・土石流)の予兆】
こんな時は土砂災害に注意し早期自主避難

  • 山全体がうなるような山鳴り
  • 斜面の変形・亀裂
  • いつもと違う樹木の傾き
  • 根切れの音
  • 斜面から腐った土や花火の火薬のような臭い
  • 川の水や井戸水が濁る
  • 斜面から水がわき出す
  • 斜面から泥水や小石がパラパラと落ちてくる
  • 川の水が急に止まる
  • 上流あるいは周辺で大雨が降っている
  • 長雨が降り続いた後に、集中豪雨
  • 川底をゴロゴロ石や土砂が流れている
  • 急に木の葉、ごみ、樹木が流れてくる

台風26号が本土に接近したとき、多くの企業が予め、出社を控えさせたり、無理な行動をしないよう喚起した。現在、発生している27号及び28号についても、既に社内に注意喚起を行っている企業が出始めている。

気象庁や市区町村の防災関連情報に加え、企業内においても防災喚起が進めば、より多くの人が無謀な行動を避けて、安全かつ適切な対応をとることができる。同時に、個人個人の災害に関する危機感度を上げておくことで、最終的に命を守る行動につながることになる。


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