開発者のこだわりや熱意を、全社員に共有
あれよあれよと言う間に、6回も連載が続きました。今回はサイボウズ製品がリリースされた時に行う社内のリリースパーティーの様子をご紹介したいと思います。
サイボウズの社内イベントには、ただ盛り上がるというだけではなく、それぞれに込められたメッセージがあります。4回目のコラムで書きましたが、サイボウズ・オブ・ザ・イヤー(納会)は「ありがとう」を伝えるイベントですし、年数回行われる「喜びの叫び」と呼ばれるイベントは、売上目標の達成を祝うイベントです。感動課は、それぞれのイベントに込められたメッセージがより明確に伝わるように色々と知恵を絞ります。
サイボウズでは、製品がリリースされたとき、そのお祝いを行います。最近では二年前からサービスを開始したcybozu.comのリリースイベントを年に1回、11月に行っています(実は今もその準備で大忙しです)。
企画・運営は、感動課とそれぞれの製品のプロダクトマネージャーで行うのですが、「開発お疲れ様でした」という労いにあわせ、「開発者のこだわりを営業に伝える」ということをテーマにイベントを企画しています。
発端は感動課が出来て数カ月後、サイボウズガルーンという製品のリリースパーティーの企画を考えていた時のことです。
副社長が感動課のミーティングの時に「この前のリリースパーティーの時、開発の〇△くんが前に出て、自分の作った製品を誇らしげに話してたの覚えてる?あれって素敵やと思うんよな」と話していたのがきっかけだったと思います。
「どこの誰かが作ったものじゃなくて、顔も知ってる、場合によっては仲のいい同期が作った製品や機能なわけやん。営業するときにも、普通のカタログにあるような通り一辺倒の機能紹介とかより、仲のいい同期が作った機能と、それに込められたこだわりとか熱意も一緒にお客さんに届けてもらいたいよね」と話していました。
そこで作ったのが、一つの動画です。
当時九州新幹線開通の動画が流行っていて、その動画のパロディーで作りました。
鹿児島から福岡まで地元の人が旗を振って新幹線開通をお祝いしている動画に、東京・松山・上海・ベトナムと4つの拠点に別れて一つの製品を開発し、それぞれがこだわりを持って完成させた事をダブらせました。
作り手のこだわった所を紙に書いてもらい、
開発までのスケジュールやエピソードをおり交ぜた動画です。
製品は、作ったら終わりじゃありません。それを営業が売って、お客さんが便利に使ってくれてはじめて“世のため人のため”になります。でも、製品が開発すればひと段落です。駅伝でいうならタスキが次のランナーに渡ります。そのタスキの受け渡しをリリースパーティーでは行いたいのです。
「福ちゃん、あれ見たことある?スーパーとかでたまにある野菜の横に貼ってあるやつ。作った人の顔とコメントが載ってあるチラシ。あれ見たらなんかちょっと安心するやん、生産者カタログって言うの、あれ作ろうよ」
これが次のステップでした。
そこで作ったのが、2つのカタログです。
≫次ページ 『「努力」に「共感」してもらうための「サプライズ」を創出』に続く
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