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コラム

新聞広告の価値 再発見

【インタビュー】地域密着こそが新聞の強み――味の素・髙橋健三郎氏

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広告メディアとしての新聞の価値は十分に認識されているのか――。宣伝会議は10月の「新聞週間」、同月20日の「新聞広告の日」に合わせ、メディアニュートラル時代の新聞のあり方にスポットを当てた新聞「アドバタイムズ」を発行しました。掲載記事をWeb上に順次掲載していきます。

髙橋健三郎氏(味の素 理事 広告部長)

号外への広告掲載で、商品がたちまち欠品に

新聞広告を出稿する際、私は「タイミング」「メッセージ」「地域性」の3つを重視しています。

ひとつ目の「タイミング」で最近大きな成果が挙がったのは、2020年五輪の開催地が東京に決まった際の号外に出稿した広告です。商品は「アミノバイタル」で1面の記事下全5段に出しました。東京に決まることを前提に事前にいただいた話ですが、出稿できるならこの場所をと頼んでいたので、即決でした。

選手の写真に対するファンからの反響が大きかっただけでなく、商品が店頭から欠品になり、土日返上で社員が商品を包装したほどです。広告部長に就いて3年、こんな体験は初めてでした。何十年に一度のタイミングを捉えて、企業PRと商品販促のダブルの効果が得られました。

2つ目の「メッセージ」で思い出されるのは、08年初頭に起きた中国製冷凍ギョーザ中毒事件を受けての広告展開です。同年、当事者企業だけでなく、当社を含め大手メーカーの家庭用冷凍食品の売り上げが著しく落ち込みました。

そこで当社では、同年から翌年にかけて、新聞広告の社会性と信頼性を前提とした記事広告を出稿しました。関係会社の「味の素冷凍食品」がどのように海外生産を行っているか、皆さんの安心と安全確保にいかに努めているかを、丁寧に文章にして掲載したのです。

各社が国内生産にシフトし、新聞紙上では冷食や海外生産食品への警鐘が鳴らされる中、その新聞にこうした広告を出稿することには新聞社からも驚かれました。もっとも、継続するうちに新聞社の方も味の素冷凍食品の社会に対する責任意識、姿勢に共感していただき、また読者からの「信頼が高まった」という声も大きくなりました。

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