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あなたは記者とつながる派?SNSあるある事件簿

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“ソーハラ”(ソーシャルハラスメント)などの造語をはじめ、SNSのビジネス上の使い方やマナーが取り沙汰されて久しい現在、企業広報担当者はメディアとのSNS上の交流についてどのように考えているのか。広報担当の声をもとにレポートする。

※雑誌「広報会議」2013年12月号より


企業広報担当者を対象にしたアンケートによると、「SNSの個人アカウントでメディアとつながる」と答えたのは全体の4割。6割が「つながらない」と回答した。

「つながる」派の理由でもっとも多いのは、「距離が縮まるから」という声。「仕事上では分からない一面を知ることができるし、知ってもらえる」、「会う機会が少なくてもSNSでつながっていることで距離が縮まる」、「疎遠感を生まない、親近感を創出することができる」、「共通の話題で盛り上がることで仲良くなれる」などの理由が挙げられた。

「つながらない」派の理由でもっとも多いのは、「プライベートのアカウントでまでつながる必要はない」という声。「基本的には通常のリレーションで十分目的が果たせる」、「自分のプライベートまで見られるのはどうかと思う」。また、「オープンな場でコミュニケーションを取ることは、リスク管理の面でも心配」など、リスクを心配する声も挙がった。

「つながる」派の中で次に多いのが、「取材につなげるためのPRの場」という声。「オン・オフを問わず、常に情報収集しているのがメディア。SNSでつながっていると、投稿がきっかけで取材につながるというケースも」、「趣味のヨガについての投稿を定期的にしていたら、SNSでつながっていたある女性誌の編集者から“ウェルネス特集で取材させてほしい”という依頼が。ウェアやお役立ちグッズなど、周辺情報まで投稿していたので、SNSの投稿をベースに取材が進んだ」などの例が聞かれた。

また、PRツールとして活用している例も見られる。「フェイスブックを通じて発表会の招待をする。メールでも送るが、フェイスブックだと外出中でも場所や時間がすぐに分かるので効率的」、「自社の発表会の準備や事後レポートを投稿し、多くの関心を呼んでいる」、「リリースにならないような取り組みや内容も、SNSで気軽に告知している」、「役員のブログやSNS上の投稿などをシェアして、取り上げてもらいたい事項について経営者の考えや発言を通じてアピールする」などの例が聞かれた。

ほか、「取材内容の確認ややり取りで活用している」、「相手が開封したかが分かるので、緊急時の質問回答などに活用」、「メディアの“つぶやき”を見て、忙しい時期や時間をチェック。朝の出社時間を把握して連絡を入れる時間を考えたり、キャラバンのアポイントを取りやすい時期を考えたりも」などの声も挙げられた。

【Case1】
いつから仲良くなった?
初対面なのに軽いDM

初めて会った日に、唐突にダイレクトメッセージや「友達リクエスト」を送る例。初対面にもかかわらず、メディア個人に突然軽いトーンのメッセージを送るのは禁物。会った時に、「友達申請送ってもいいですか?」など、一言あればまだ良いものの、いきなり馴れ馴れしいメッセージを送りつけるのは、あまり印象が良くない。

メディアにヒアリングしたところ、「たまに初対面なのに、いきなり“仲良しメール”が届いてびっくりすることも。正直、あんまり気持ちの良いものではない。“え、何このテンション……”と引いてしまうこともあります」(情報番組)。

「仲良くなったらもちろん別ですが、基本的に企業広報は“その企業の顔”として見ているので、いきなり違ったトーンで来られると、“大丈夫かな”と思う」(ニュースサイト編集者)、

「SNSでつながること自体は悪いとは思いませんが、特にビジネス上の付き合いでは、相手のトーンをわきまえることが必要では。“この人だったら大丈夫そう”と、きちんと相手を見極めることが大切だと思います」(女性誌)などの声。

初対面のコンタクトには気を付けよう。

【Case2】
連日続く、自社愛に満ちた投稿
過剰な自社アピール

連日続く、会社の魅力をアピールする広報担当者の投稿。“フェイスブック=PRツール”として、どんな小さなことでも「自社の良いところ」をアピールしまくる。アンケートでの「うざいと感じる投稿は?」の回答から複数挙がってきた例だ。「最後は必ず“○○(自社)って本当に良い会社!”で締めくくる。

愛社精神に満ちているのは良いことだと思うが、行き過ぎるとうざいと感じる」、「“私を見て!”という自己PR感満載の投稿が煙たがられるように、あまりに自社をアピールし過ぎると反感を買うことも」、「個人SNSが会社や仕事の話ばかりで、しかもそれがPR調だとげんなりする」。

SNSの投稿が取材につながるケースも見られるが、だからと言ってむやみに自社ネタのPRを頻発すると煙たがられる。バランスとトーンを図りながら、うまくPRにつなげることが重要だ。

一方、「記者会見に呼んでいないメディアがその投稿を見て何で自分は呼ばれていないのか、というコメントを残していた」との声も。場所をわきまえて“発言”しないと、せっかくのリレーションが崩れてしまうことにもなりかねない。