takram design engineering の田川欣哉さんに聞きに行く 「自分で全部やってみたい人の仕事術」(前編)

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多様化、複雑化する「プロダクト」の構成要素

廣田:takramという社名は、どこからきているのですか。

田川:「企業」の「企」です。「企む」の語源は「たくむ」や「たくみ」で、つまりは、もののデザインとかクラフトという意味があります。そしてもうひとつ、「企」という漢字は「くわだてる」とも読める。

「鍬を立てる」というところから来ているそうですが、そこには新しいフィールドを開墾するという意味があります。企てるためには、どこに鍬を立てるべきかのリサーチから始める必要がありますし、「企」という1文字に、ゼロから100までのものづくりを一気通貫で見られる人、会社になりたいという思いを込めているんです。

廣田:最近プロダクトも、より複雑になってきていますよね。プロダクト単体で売るというより、その周辺のサービスも含めて、経験自体をデザインする必要がでてきている。田川さんが「全体」「一気通貫」とおっしゃっている領域はさらに広がっていると思います。

田川:コンシューマーが何をもって、プロダクトをプロダクトと見なすのか、その目線は10年前と今とでは全く異なってきています。プロダクトを構成する要素を因数分解すると、1900年頃はすごくシンプルで、その要素は100%ハードウェアだった。

その後ハードウェアに、エレクトロニクス、サービスネットワーク、ソフトウェアが加わり、最近では、ハードウェア、エレクトロニクス、ソフトウェア、ネットワーク、サービスの5要素が揃って、ようやくプロダクトと見なされる状況になっています。

Amazonのkindle、アップルのiPhoneが好例ですよね。ですから、takramでも最近では必要に迫られ、サービスデザイン系のスキル獲得に取り組み始めています。

廣田:広告業界でも同じようなことが起こっています。以前は商品が完成した後に広告の仕事の依頼が来ていたのが、今ではプロダクト・サービスの完成前の過程から入ることが多くなりました。

確かに前工程から関わることで、発売後に話題が拡散する要素を組み込んだり、より有機的なコミュニケーションの企画ができるようになっているなと思います。

次ページに続く 「4つの領域を埋めていく?デザインエンジニアの育て方」

【「電通 廣田さんの対談」連載バックナンバー】
■takram design engineeringの田川欣哉さんに聞きに行く
「自分で全部やってみたい人の仕事術」(前編)
「自分で全部やってみたい人の仕事術」(後編)
■Sumallyの山本憲資さんに聞きに行く
「リスクテイクする覚悟がある人の仕事術(前編)
「リスクテイクする覚悟がある人の仕事術(後編)
■内沼晋太郎さんに聞きに行く
・「マージナルな場に飛び出す人の仕事術」(前編)
・「マージナルな場に飛び出す人の仕事術」(後編)※3月更新予定

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