情報選択の意思決定と多様性のある社会
谷口:スマホの普及によって若いネットユーザーが増えたのと、東日本大震災が発生してから、災害発生時の情報インフラとして機能するネットを見て、ネットの利用がより一般的になってきていると感じています。一方で意識的にネットを利用しているわけではないユーザーが増え、リテラシーの問題も出てきていると思いますね。
杉本:テレビを見る感覚で、ネットのコンテンツに触れてしまう。
谷口:はい。最近、ユーザーがすごく素直になっているのではないかと感じます。例えば以前は斜に構えた視点のコンテンツがウケやすかったんですが、最近はストレートにイイ話の方がウケやすい。
杉本:正しい情報を会話の中から含めて自ら取捨選択していかないといけない。マスメディアが発達する前は、情報選択の意思決定を自分でしていたと思いますが、そのことを忘れてしまったところがあると思うんです。
逆に情報社会が進化することにより、また自分で取捨選択する時代になっている。もともと絶対的な正義などないですから一人ひとりが自ら情報を選択することで、多様性のある社会構造になるのではと思っています。
谷口:それぞれのコミュニティの会話の内容は違いますし、そこにアプローチするにはこれまでのマスアプローチとは異なる方法が必要とされそうですね。杉本さんのお話には、そこでのヒントが多くありました。ありがとうございました。
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二ワンゴ 代表取締役社長 杉本誠司
1967年東京生まれ。89年桜美林大学経済学部卒業。気象情報会社のウェザーニューズなどを経て、2003年、ドワンゴに入社。ニワンゴの立ち上げに携わる。07年12月、社長就任、現在に至る。
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