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コラム

New York、酒と泪と男とアートディレクション

グラミー賞受賞 R&B シンガー・ブランディのアートディレクション担当に抜擢

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【前回の記事「NY初仕事は、米ロック界のボス、ブルース・スプリングスティーンのベストアルバム」はこちら】

一生懸命春に近づこうとしてるニューヨーク。ここ最近はポカポカ陽気で嬉しい限り♪ 

先日からはサマータイムが始まり、朝の貴重な1時間を損した気分に。でも夕方に日が高いのはやっぱり嬉しい。厳しい冬があるから春の有り難さが身にしみるのだ。

今日みたいに10度を超える日はやたらと街に人が出ている。こんな日は私も「飲みにいくぞー!」と言いたいけど、相変わらず〆切の山でそれどころではないのが現状。。。

初夏のリリースに向けてアーティストが続々と新譜のリリースに入り、アートディレクターも撮影なんかで大忙し。

長年アーティストの撮影ディレクションにたずさわっているけれど、撮影の手配やら準備が未だに一番大変だ。うちの会社では撮影を一人で任される様になったら一人前のアートディレクター?といっても過言ではない。バジェットをあずかり、アーティストのイメージ作り、そしてパッケージデザインへと繋がる最初の重要なキーポイントだからである。

そして撮影前にアーティストと直接会って打ち合わせをする機会がうまれるのだけれど、やっぱり好きなアーティストとの対面は常に嬉しい。でもプロとして「ファンです~!」ってのも恥ずかしいから余裕なふりしてクールに決めるべきなのか?! でも会えてめっちゃ嬉しいし、いちファンとしての思いも伝えたい!なんてミーハー精神が隠しきれない私。

長年悩んだ結果、隠すのはやめにした。何でも素直が一番さ!と思ってカジュアルに話す機会がある時は伝えるようにしている。そしてそれがオッケーなんだ、と思ったのはブランディを担当した時だった。

田舎で毎日聴いていた大物アーティストと、仕事で対面

1990年代に一躍大スターとなり、1998年にモニカとのデュエットでBillboard Hot 100で13週連続1位、259万枚以上を売り上げる大ヒットとなった「The Boy Is Mine」でグラミー賞を受賞した大物アーティスト・ブランディ。四国高知で過ごした学生時代、毎日のように聴いていた。


ブランディーのファースト・アルバム。15歳という若さで衝撃的なデビューを果たした。高知の洋服屋の片隅でアルバムを手にしたのが、彼女との最初の出会い。今や一緒に仕事をしている間柄とは、人生どう転ぶか分からない。

ブランディとの出会いは高校生の頃。出会いといっても、いちファンとして彼女の音楽に出会った時のことであり、本人対面はそれからながーーーーい時を経てからのこと。

高知の洋服屋さんの片隅に段ボール一箱分だけアナログレコードが売られていた。当時はまだ「ジャケ買い」というものが普通に存在し、15歳のブランディのデビューアルバムを手にした瞬間、fall in love。

写真がかっわいーと思ってお小遣いで即購入!ところが当然アナログレコードプレイヤーなんて家になかったので、DJの友達の家にいき、カセットテープ(時代が…)に落としてもらってやっと聴くことができた。

アルバムはもちろん衝撃的にかっこよく、もっと彼女の曲が聞きたい!と思ってすぐにまた同じお店に戻ったのだった。

そこで次に手にしたアルバムは『Waiting to Exhale』という映画のサントラ(この映画、今は亡きホイットニー・ヒューストン主演らしいのだが、未だに見たことがない)。

そこに収録されていたブランディの曲『Sittin’ Up In My Room』が、どっかーん!だった。

そこから数年後にリリースされたモニカとのコラボ作品『The Boy is Mine』なんかも大ヒットで、その後も常にブランディは私の大好きアーティストランキング上位だった。

次ページ 「歌の力をビジュアルで伝える、それが自分にできること」に続く