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コラム

宣伝部の変革と復権-次世代マーケティング部への機能再編-

エージェンシーは中抜き? 米国で増えるインハウスマーケティングラボ

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データと知見を企業内に囲い込む

しかし、今になってどうしてこのようなインハウスエージェンシーやベストインクラスエージェンシーが必要なのだろうか。

インハウスにプライベート・トレーディングデスクまで設けるのは、もちろんデータと知見を企業内に囲い込むためだ。こうしたビッグクライアントの動きに対抗するために、メガエージェンシーは、各領域の一流のスペシャリトを用意して、クライアントの中にチームをつくることまでする。一方で、グローバル企業とまではいかないクライアントもインハウスラボをつくって知見を中に取り込んでおこうとしている。

「総合広告代理店」の概念はなくなった?

今のマーケティング活動は、エージェンシーにアウトソースするだけですむ性格のものではなくなった。広告クリエイティブをつくりメディア枠を抑えて出稿するという作業だけでは全く成立しなくなったということだ。

つまり領域が拡がりすぎて、いくら大手でもひとつのエージェンシーだけでは対応できなくなっているのだ。そもそも「総合広告代理店」という概念はなくなったのである。

結果、多数のエキスパートを使いこなす知見がクライアントの中に必要となった。そしてインハウスマーケティングラボというかたちで外部からもスペシャリスト人材を取り込む手法がとられるようになったというわけだ。

事業主自身がマーケティング知見を蓄積し、マーケティングスペシャリスト人材を集め、データを収集蓄積し、企画実施する。これがマーケティングの潮流であるということを是非、日本の企業の宣伝部の方々にも認識していただきたい。