【前回のコラム】「オンラインビデオマーケティングの本格化と日本版MCNの登場——業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から」はこちら
DMPが“最適化”するもの
DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)が注目された2013年頃から、DMPはDSP(デマンドサイドプラットフォーム)と“対”で概念化されてきたきらいがある。しかしDSPと「対」なのはSSPであって、DMPではない。
DMPの導入及び運用にはそれなりのコストと労力と知見が必要である。たいへんな苦労をして導入して最適化できるのが、DSPによるディスプレイ広告の買い付けだけでは意味がない。
マスマーケティングを展開する企業であればネット広告は、そもそも広告費の5%も使っていればいい方で、DSPによるディスプレイ広告となると、そのまた一部である。全体のほんの数%を最適化するためだけにDMPを入れるわけではないのだ(もちろん最適化するのは広告だけではない。)
しかしながら、いま日本でDMPと名乗っているツールのほとんどがDSPの機能拡張版と言っていい。日本製にはDMPとしての充実した管理画面を持ったツールはまだない。先行する海外製のDMPは素晴らしい管理画面があるが日本のデータがまだ入っていない。
日本製DMPが充実した管理画面を開発するのが早いか、海外勢が日本のデータをしっかり取り込むのが早いか、そういう勝負だろう。
DMPはデータ分析基盤ではあるが、マーケティングの成果を生むためには、この分析基盤を運用して可視化できるマーケティングデータに基づいて「施策」を講じなければ、成果にはならない。「施策」は基本的に2つあって、一つは現状で打てるマーケティング活動の範囲での「打ち手」を明確化することだ。その「打ち手」もペイドメディアであれば、マス広告を含むすべての施策が対象でなければならない。
「宣伝部の変革と復権-次世代マーケティング部への機能再編-」バックナンバー
- 「送り手」のタイミングから「受け手」のタイミングへ——マーケティングコストのシフト(2015/3/16)
- 3rdパーティデータとしてのTV視聴データが流通する—業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から(2015/3/02)
- オンラインビデオマーケティングの本格化と日本版MCNの登場--—業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から(2015/2/02)
- データプロバイダーによるエージェンシー設立・買収が始まる——業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から(2015/1/19)
- データ分析から「シナリオ設計」をするということ——“アナログ広告人材”が活躍できる可能性(2014/12/22)
- 宣伝部員が「企業マーケター」になるために~まずは自社の広告活動の「評価」(ROI分析)は自社でやろう~(2014/6/20)
- データドリブンマーケティングを実践する宣伝部になろう—全員にプッシュするマーケティングダッシュボードのデーター(2014/6/06)
新着CM
-
広告ビジネス・メディア
都外ナンバーでもアドトラック規制へ 広告主からの質問受付は4月5日まで
-
お知らせ
「宣伝会議賞」中高生部門 新しい学校のリーダーズ賞決定!
-
クリエイティブ
ラスベガスの球体サイネージSphereにIBM出稿、生成AIで「信頼」表現
-
AD
クリエイティブ
グループ一体で「感動」を生む エンタメ視点の空間デザイン
-
販売促進
ミンティア、コンセプト「息にドレス」を体現したファッションショーを開催
-
販売促進
カラオケもMRI検査もタダ、「chocoZAP」来店を習慣にする戦略、RIZAP
-
AD
特集
データを活用して、ビジネス施策を動かす―アユダンテ
-
クリエイティブ (コラム)
「噓つきは、戦争の始まり。」 宝島社が広告で問いかけた「平和」とは
-
マーケティング
「データに強いマーケターになるにはどうしたらいい?」 小さな成功の積み重ねで、目...