米3M(スリーエム)社の「視線予測サービス(Visual Attention Service=VAS)」は、商品パッケージやPOP広告、店頭の棚割、各種広告、WEBサイトなどのデザインが的確に視認されているかを客観的、かつ低コストで検証することができるサービスだ。日本では、2012年8月からフジテックス(本社・東京都)が日本語版を提供しており、今回はその特徴を紹介する。
人の視線がどこに集中しやすいかを予測
撮影した画像の色や形、コントラストなどを解析し、見始めてから3~5秒の間、人の視線がどこに集中しやすいかを予測し、ビジュアルで示すことができる。例えば、WEBサイトのどの部分が注目されているかを調べて色や配置を改善したり、商品棚のどの箇所が見られているかを調査し商品の配置を変更したりできる。商品パッケージや広告デザインに留まらず、DMやEメールの文面にも対応している。
屋外広告での利用例
評価・改善に科学的な検証手段を加えることができる
ユーザーはデザイナーのほか、ブランドマネージャーやマーケター、営業担当者など幅広い層だ。これまで、クリエイターの勘や経験に委ねられていたコミュニケーションの評価・改善に科学的な検証手段を加えることができる。表示方法は、Heatmap(ヒートマップ)、Region Map(リージョンマップ)、Area of Interest(AOI機能)、Visual Sequence(視線トラッキングチャート)など複数の指標があり、視線の推移や傾向を分かりやすく示すことができる。
店頭での利用例
検証結果は1分ほど 料金は定額制
こうした検証方法は、従来は被験者を集めて実際の人の視線の推移を検証する「アイトラッキング」と呼ばれる手法が用いられてきた。もっとも、この手法はデータの精度が高いとされる反面、特殊な装置を用いるため、コストと1カ月程度の時間がかかるのが難点だった。VASは脳科学の知見をもとに、人間の視点の推移を推測することで、アイトラッキングによる「実測」と比較しても、80~90%程度の精度が実証されている。
さらに、VASはクラウド型のWEBアプリケーションであり、PCのほかiPhoneやアンドロイド端末でも利用でき、検証結果は1分ほどで示される。料金は定額制で1カ月4万円からで、何度でも利用できるのもメリットだ。
フジテックスは、販促事業、環境事業、健康事業、教育事業からなる総合商社となっている。
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