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CMプランナー・福里真一 × 作家・白岩玄 ヒットコンテンツの企画術(前編)

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これまでに、ヒットCMを何本も手掛けてきた広告業界きってのヒットプランナーである福里真一氏。ベストセラー小説『野ブタ。をプロデュース』の著者であり、かつては宣伝会議のコピーライター養成講座で広告の勉強もしていた白岩玄氏。広告と小説、異なる領域で活躍するお二人にヒットする企画と、その発想法を伺います。

若年層は言語化されないものが好き

——白岩さんはご自身が30歳で、かつ近刊『R30の欲望スイッチ』では若年層にヒットしたものを分析しています。福里さんは、まさに老若男女問わず、受け入れられるCMでこれまでに数々のヒットを生んでいますが、企画をする際には世代、特に若年層について意識するものでしょうか。

福里:自分が若者だった頃から、若者の気持ちがわかっていなかったので、そもそも、そういう人間なんだから、あまり若者のことは考えなくていいんじゃないかな、という感じはありますね、あまり大声では言えませんが(笑)。

それと、90年代頃までは広告の多くが、若者向けに作られていましたが、いま若者は日本の人口全体から言って少数派。広告のメインターゲットになることが少なくなってきました。なので、あまり若者ばかりを意識して広告を作らなくてもすむようになったということがあります。

ただ最近は、ネットで話題になるかどうかを気にするクライアントが増えていて、その世界の主役は若い人たちなんでしょうから、今日は白岩さんに若い人たちのことを考える上でのヒントがもらえたらな、と思っています。

白岩:僕は30歳なんですが、僕の下の25歳くらいから下の世代は、何か違う気がします。否定よりも肯定好きというか。「仲間と手を取り合って、みんなで頑張ろうぜ!」みたいな世界を無条件に信じている感じがあって…。いい時代と言えば、そうかもしれないですが。

福里:あー、そう言われると、ますます苦手意識が…。

白岩:あと若い世代を見ていて思うのは、全ての遊びは暇つぶしということです。Youtubeを見るのも、暇を埋めるためにやっている気がします。

ただ、好きなものの方向性には何か共通点があるのかなとは思いますね。例えば、「恋するフォーチュンクッキー」に合わせて皆で踊るのが流行りましたよね。僕にはまったく理解できないんですが(笑)。ああいうダンスとかLINEのスタンプとか、言語化されないようなものが受け入れられやすい気がしています。

逆に言語化したものについては、すごい直接的な表現に響く。ちょっと皮肉が入ったり、複雑になるとシャットダウンされてしまうというか。快楽の「快」が基準になっているのかもしれません。

福里:ますます不安になってきました。セリフものばかりではなく、これからは、ちょっとダンスCMとかもつくってみようかと思います。失敗しそうですが(笑)。

次ページ 「企画は理詰めで考える」に続く