メディアを巻き込みながら評判を高める広報戦略/アドタイ・デイズレポート(6)

「世論をつくる企業・団体の活動と広報の連携」をテーマとするセミナーでは、機転を利かせた広報活動で、「東京オリンピック・パラリンピックの2020年招致」と「ななつ星 in 九州のリリース」という大きなプロジェクトを成功に導いた各担当者が登壇。メディアを巻き込みながら評判を高めていった秘策が明かされた。

【C2】4月15日(火) 11:30~12:30
世論をつくる企業・団体の活動と広報の連携

<登壇者>

  • 九州旅客鉄道株式会社 広報室長 森 勝之 氏
  • 一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 事業戦略広報部戦略広報課長 高谷 正哲 氏

ファン化を促す「チラ見せ戦略」

——東京オリンピック・パラリンピック招致や、寝台列車「ななつ星 in 九州」の広報活動を実施するにあたり、どのような計画を立てましたか。

一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 高谷 正哲 氏

高谷:

2020年に開かれるオリンピック・パラリンピックの東京招致が決まりましたが、背景には2016年大会の招致活動の失敗から学んだことが生かされています。

2020年の招致を目指した広報活動では、組織体制の強化を図りました。組織名は、企画広報部から戦略広報部に変更。チームメンバーは、担当する業務内容を具体的に定義した上で適した人材を集めた結果、2016年の招致に比べて、スポーツ界のバックグラウンドのあるスタッフが多く揃いました。

また、2つ目の進化のポイントは、戦略広報部としての明確な達成目標を定めたことです。2012年末までに都民や国民の支持を獲得することなど、目標とその達成時期を決め、それを実現するためにすべきことと、しなくていいことを整理。これをスタッフ全員が理解した上で、広報活動を進めていきました。

森:

ななつ星の広報活動については、「広告宣伝はしない」「賑わいをつくれ」というミッションが課せられ、その対応策として「ななつ星好きを作ろう」という計画を立てました。ちょっとしたことでも、少し手間をかけて様々なリリースを出していく戦略です。

最終的に2年間で40回以上の記者会見やリリース発信を行いました。特に運行開始の2013年には、30以上ものリリースを打っています。運行開始の1カ月ほど前からは、毎日のように記者さんと接し、テレビカメラを回してもらい、それを九州全域へ発信していく活動をしていました。

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