「広告界の未来を構想する」をテーマにしたイベント「AdverTimes DAYS(アドタイ・デイズ)2014」(主催・宣伝会議)が4月15日と16日、東京国際フォーラム(東京・千代田区)で開かれ、2日間で9,802人が来場した。
本欄では、広告主、広告業、メディア、クリエイターなどの垣根を超えて広告界の未来を本音で語りつくした2日間のセミナーの一部を紹介します。
本欄では、広告主、広告業、メディア、クリエイターなどの垣根を超えて広告界の未来を本音で語りつくした2日間のセミナーの一部を紹介します。
【目次】
- 1ページ目 これからの“メディア”の捉え方――アウトブレインジャパン
- 2ページ目 クロスメディア環境下のTV×Web広告最適化を考える――インテージ
- 3ページ目 タブレットによるデジタルマーケティングの拡張~その魅力と実現のポイント――インフォテリア
- 4ページ目 「診断ゲーム」はもう古い?SNS活用型キャンペーンで電子ギフトが支持される理由――SBギフト
これからの“メディア”の捉え方
<登壇者>
- アウトブレインジャパン 社長 嶋瀬 宏 氏
なぜ今コンテンツマーケティングが重視されているのだろうか。「広告や情報が氾濫するなか、ユーザーの広告への反応が鈍化してきている」と話す嶋瀬氏は、「ユーザーの認知と興味・関心の間にパーミッションが必要だ」という仮説から、コンテンツに潜在顧客を惹きつける方法を紹介した。

アウトブレインジャパン 社長 嶋瀬 宏 氏
商品自体にまだ関心が湧いていないユーザーに“こんなにいい商品ができたので見てください”と表示しても反応してもらいにくい。
コンテンツでユーザーが求める情報を与え、ユーザーとの関係を構築した上で広告を見てもらえば、広告はユーザーにとって必要な“情報”として受け入れられる。こういう段階を踏むことがマーケティング施策をより効率的にするために重要であると、嶋瀬氏は台湾のスマートフォンメーカーHTC米国法人が、『ニューヨーク・タイムズ』に記事を掲載した事例を通じて説明する。
その記事は、「最近あまり目立っていなかったHTCが久々に出した携帯端末の素晴らしい点とやや不満足な点についてフラットに紹介する」という内容だった。
この記事に触れたユーザーと触れなかったユーザーを比較したところ、記事に触れたユーザーは触れなかったユーザーよりも、ブランド想起率が102%、ブランド好感度が約50%、購入意志が46%高まり、知人への紹介意向が46%、ブランド優位性が高いと思う人が32%、それぞれ向上する結果となった。