【前回のコラム】「絶妙な距離感でつきあう方法:エンゲージメント」はこちら
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
マーケティングは科学か、芸術か
近年のマーケティングにおける科学的なアプローチの発展について疑問をはさむ人はいないと思いますが、かつてジョン・ワナメイカーが言ったとされる「広告の半分は無駄である。問題はどっちの半分かわからないことだ」といった言葉をもとにマーケティングが科学ではなく芸術であると豪語する人も少なくないでしょう。
デジタルマーケティングの用語が嫌われる背景の一つには、そのようなマーケティングのアートの世界を、無味乾燥な論理によって台無しにしてしまうという偏見があるからかもしれません。その意味でマーケティングにおける効果測定を明確にするアドテクノロジーがどんどん増えていくのは彼らにとっては恐怖に違いありません。
今回とりあげるアトリビューションという語もその急先鋒のような言葉です。
探偵のような分析的志向
アトリビューションという語は「帰属すること」という意味で、デジタルマーケティングでは最終的にもたらしたコンバージョンに、どう「帰属した」かを分析する際に使います。ひらたく言うと広告が目指す最終パフォーマンスへの貢献度や要因分析をすることです。
デジタルマーケティングにおけるアドテクノロジーの進化の過程の一部は、このような分析的な志向に顕著に現れています。ワナメイカーの発言のように、広告がブラックボックスで費用をかければ結果が出るような対象ではなく、その箱の中身を分解し、どのようにそれが機能しているのかを徹底的に考えるというのが基本姿勢です。
これは言わばシャーロック・ホームズに代表されるような探偵の志向とよく似ています。
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