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コラム

編集会議コラム〜コンテンツの裏側潜入!〜

場を作る“プレイヤー“になろう。

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藤本和剛(Meets Regional編集室 副編集長)

関西でもっと楽しみたい!京阪神の街で遊び、街で暮らす大人のための情報誌。「街を知る人の雑誌」「最も街に近い雑誌」として都市型のライフスタイルの人々から絶大な支持をうけている、京阪神エリアマガジン。毎月1日発売。

船場商人の家系に生まれ、道楽もんだった祖父の街遊び一般を、幼少期より体験してきたことが私の骨肉。長じてMeetsに籍を置いたのは今思えば自然な成り行きと思えますが、先達が作ってきた“街的”なる考え方を進化発展させるべく、日々の記事作成に努めています。

“街的”というのは、「都会を使いこなす」「田舎へ帰ろう」といった二項対置ではなく、日本全国ひいては世界どこに行っても、そこにしかない面白さを見つけられるという姿勢です。それには体験と健康な五感の働きが必要。さて五感が働く心身でいるためには、日々何を食べ、どう暮らし⋯ということになるわけで、結局は自分の遊び働き暮らす街に愛着を持ち、よく知ることが大切だったりする。Meetsという雑誌は即物的な情報を伝えるツールには間違いないのですが、自分だけの考え方や目線を持つこと、もっと言うと、街に対して積極的な“当事者(プレイヤー)であること”の大切さを伝えるツールでありたいと個人的には考えています。

“プレイヤー”として“場”をつくる。

本誌では特集に加えてファッションページ、広告企画を主に担当していますが、近年はトークショーの司会やパネラー、ファッションビルやセレクトショップでの期間限定店への参加、新店レセプションの段取りに自転車イベント参画⋯など“なんでも屋”具合が一気に加速。最近は連載70回を超える連載『J-Boys』でお座敷がかかることも増えました。革ジャンにサングラスというロックンロールな風体で関西の豊穣なニッポンカルチャーを探訪する、というトリッキーな企画ですが、古典芸能、郷土料理、寺社仏閣に民藝と、企画&取材そしてモデル役として積み重ねたさまざまな場所でお話しています。

いずれも誌面作成の道程で、スピンオフ的に生まれてきた企画ばかり。面白そうな雰囲気がする方へ進んでいるだけというのが正味のところではありますが、そういった派生的な動きが広告出稿に繋がったことも一度や二度ではありません。

例えばあるバッグブランド。直営店の5周年を迎えて新たなお客さんと顧客さんを誘引するネタを探されていたのですが、職人が常駐すること、お店の2階に気持ちのいいスペースがあることを考え合わせて、今までのノウハウを活かしたワークショップを提案。誌面出稿やWebと連動した告知を展開するとたちまち予約は満杯、素敵なクライアントとの現場の運営も楽しくて、あぁこれは一石何鳥かしら。単純化して言えば、そういうことです。

上の例のみならず、ツイッターやフェイスブックといった三次元の場、雑誌やZINEといった二次元の場、そしてマルシェやワークショップいったリアルな場、そんなあらゆる“場”に顔を出し、参加したいという時代の空気をいま、強く感じます。それはスチャダラパーのリリックを借りれば「in the place to be」。情報だらけの時代で、自分がいるべき場所を確認したいという読者の要請かもしれません。Meetsはおかげさまで今年創刊25周年。ありがたくも名が通っている、容易に手に取れるアドバンテージを活かしつつ、「共犯関係」になってくれる読者と次元を横断して楽しんで作っていきたいと考えています。個人的には生まれ育った大阪のえぇとこを、ベタやコテコテでない文脈で紹介する企画をいろいろ⋯えぇ、これらはまた別の話で。

藤本 和剛(Kazutaka Fujimoto)
Meets Regional編集室 副編集長
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1980年大阪・阿倍野生まれ。大阪大学在学中より前々編集長の江弘毅氏に師事し、現在編集部11年目の最古参。副編集長として特集、ファッション、広告に携わるほか、ライフワークとする連載『J-Boys』での活動、各種街イベントの出演など“なんでも屋”を自認。「体験と感動」「温故知新」をモットーに、街のダイナミズムを伝えるべく活動中。

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『編集・ライター養成講座 総合コース』
講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。 「編集・ライター養成講座 大阪教室は11月29日より開講」

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