まとめ
マーケターは企業と顧客の狭間で常に結果を求められています。
顧客との関係性の中では、商品購入やサービス提供の瞬間だけでなく、常に繋がりを持ち続ける「カスタマーエクスペリエンス」の視点が求められ、企業内においては「ROIの設定」や「PDCAサイクル」といった、スピーディな情報共有が責務となりつつあります。
コミュニケーションやサービス提供ターゲットのマスから「個」への変化、商品のコモディティ化(同質化)、が進み、企業活動や事業領域のグローバル化など、様々な潮流の変化が起きている競争にさらされる今の時代、企業にとって最大の資産は技術やブランド力以上に、数多ある商品の中から、自社を選び続けてくれる顧客そのものといえます。
顧客をどう捉え、どう向き合い続けていくのか?寺田さんの「企業発のバリューチェーンではなく、お客様発でバリューチェーンを考える」という発言、稲田さんの「ロイヤリティを高めるだけ」のではなく、生涯お付き合いいだけるよう、企業人格を高めるための普段の努力をし続ける」という発言には、そんな顧客視点の思想が強く反映されていました。
また、お二人の発言からは、販売数やサービス利用実績を活用することに留まらず、新たな顧客との接点を作り出し、それら様々なデータを基にして、社内の部署の垣根を越え事業活動をリードしていくことこそマーケターの仕事である、という強い意志や誇りを感じました。
もちろん、全社を挙げて顧客視点経営に舵を切るには、既存の組織の課題など問題も多く存在しています。
一朝一夕に変わるわけではない、組織体制を嘆くのではなく、企業の資産である顧客と最前線で触れ合い、日々変わる実績データやそのインサイトを社内にフィードバックし続ける。強い信念、熱い情熱、そして企業のビジョンを具体的な活動、さらには明確な目標(ROI)に落とし込んで顧客との接点を作り続けていく。
そういったマーケターの活動こそが企業変革の第一歩と言えそうです。
(文責:株式会社宣伝会議マーケティング研究室室長)
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