コラム

いま、地域発のクリエイションが面白い!第2弾

よくある質問「ローカルだといい仕事はあまりないんじゃないの?」に答えます!

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前回のコラム「懐深い名古屋の地で、「人々の想い×オバケのアイデア×変幻自在のクリエイティブチーム=世の中を良くするソリューション」はこちら

「これからの日本は、地域が元気にする!」――ネットの登場により、日本全国どこにいても、遠く離れた他の地域と、さらには国境を超えて広い世界と向き合うことができる現在。
地域で活動するクリエイターは、その土地の特性を生かしたプロダクトやサービス、表現を生み出すのはもちろんのこと、その魅力を世界に向けて発信することで、業界全体に大きなムーブメントを起こしたり、日本の、そして各地域の魅力を再認識してもらうきっかけをつくることもできるようになりました。
コミュニティの密度が高いからこそ実現する企画、その地に暮らしているからこそ発想できるアイデア。テクノロジーの発展によってそこに情報の発信力、メッセージの拡散力が加わったことで、地域で働くクリエイターができることの可能性は大きく広がりつつあります。
第1弾の好評を受けて実現した、この 「いま地域発のクリエイティブが面白い! Vol.2」には、広告のみならず、プロダクト、パッケージ、空間、建築と幅広い領域のクリエイター9人が登場。地域で働くクリエイターが感じている「限界」、そして「可能性」とは?
等身大で、自分の仕事の今と、未来に向けた思いを語ります。


羽山 潤一「DEJIMA GRAPH(デジマグラフ)」

羽山 潤一「DEJIMA GRAPH(デジマグラフ)」

羽山 潤一「DEJIMA GRAPH(デジマグラフ)」

初めまして、DEJIMA GRAPH(デジマグラフ)の羽山潤一です。長崎を拠点にデザイナーをしています。独立して3年目に入ったところです。「ローカルだといい仕事はあまりないんじゃないの?」とよく尋ねられますが、そんなことはありません。ローカルで仕事をする魅力を思いつく順に挙げると……

●ローカルは、いいデザインを待っている人・もの・ことに溢れている。

●商品の企画やブランディング、仕組みづくりなど、ビジネスの上流部分から関わりやすい環境がある。

●クライアント企業のトップと会いやすく、本音で打ち合わせに臨める。

といったことが思い浮かびます。

僕が長崎でやりがいを感じながら、かつ楽しく仕事をできている理由を一言でまとめると「いい環境のおかげ」ということでしょうか。その実感を4つの事例に沿ってご紹介します。

【事例1:「贈答にふさわしいデザインで五島名産を全国へ広めたい。」—BARAMONシリーズの場合】

一つ目の事例、長崎・五島のお土産・ギフトブランド「贈れる五島『BARAMON』」シリーズは、独立直後にいただいた仕事です。不動産や養殖、石油製品販売など、地元長崎で幅広い事業を展開するフジオカの藤岡秀則社長の「贈答にふさわしいパッケージを施すことで、五島名産はもっとファンを獲得できる」という思いに共感するところからスタートしました。

社長自らほとんどすべての打ち合わせに同席されたのでコンセプト共有をスムーズに行うことができ、ディテールのデザインを考えることに集中できました。手延べうどんや自然塩、かんころ餅。自家消費には問題がなくても、それらのデザインは、贈答には難しい現実が……それは、長崎に住む一市民としてよく理解できました。

デザインの目標は、地元で愛される長崎の特産品を、贈り物として成立させ、既存市場とは別の市場にシフトさせること。結果、美術館のミュージアムショップや、渋谷ヒカリエのような話題のスポットで販売されており、これまでアプローチできなかった若い女性層に、五島の食の魅力を知ってもらうきっかけをつくることができました。デジマグラフの代表的な仕事の一つです。

BARAMONシリーズは、九州アートディレクターズが主催する「K-ADCアワード」の初代グランプリを受賞。審査員の一人・ナガオカケンメイ氏の計らいで、渋谷ヒカリエでの展開が受賞当日に決定した。また、長崎県内で企画開発されている優れたデザインの商品を表彰する「長崎デザインアワード2013」で大賞を受賞した。

地域産業の問題意識や地域企業が抱える課題に「まさにそうだよなぁ」と素直に共感できるのは、その土地に住む者として、なじみのある商品だからこそ。また、フジオカが大切にしている離島振興の精神に「企業が地域を考えるって、こういうことか~」と独立直後に学ばせていただいた案件でもあります。

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