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コラム

いま、地域発のクリエイションが面白い!第2弾

よくある質問「ローカルだといい仕事はあまりないんじゃないの?」に答えます!

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【事例4:「デザインできるメーカーとしてPRしたい。」—岩崎紙器 CI、ツールの場合】

CIリニューアルの後、「次は営業マンになれる会社案内を」というオーダーをいただいたのが岩崎紙器さんです。

岩崎紙器さんはパッケージの企画・デザインから製造まで一貫して手掛けられるという強みを持っています。デザインの感覚を共有しやすいため、僕のようにパッケージデザインに関わることの多いデザイナーからも信頼が厚い会社です。

特にデザイン力をPRできる、センスの良い雑誌のような会社案内にしようという目標を共有しました。一般的な会社案内から大きく離れるデザインでしたが、躊躇なくクリエイティブの方針にゴーサインをいただきました。それどころか、「パンフレットそのものに自社の技術を活かした仕様を取り入れたい」と、箱の芯として使われる紙を表紙にしたり、ロゴの箔押しをしたりと、前向きなご意見をどんどん提案してくださいました。

通常、予算の関係もあり、こうしたこだわりのある仕様でデザインできる案件は非常に限られているため、ワクワクしましたね。表紙のロゴマークも岩崎紙器さん社内で箔押しをされています。撮影に必要な箱や小道具の用意、撮影時のアシスタント作業までも手伝ってくださいました。

岩崎紙器の会社案内と名刺。企画のみならず制作も、岩崎紙器とデジマグラフとで一緒になって行った。

こんなふうに、最後まで「一緒になってつくる」体制のおかげで形になった仕事です。オリエン通りの、「営業できる」パンフレットができたと思います。企画だけではなく、現場でも一緒に作る。そんなことができるのも、親しい関係が築きやすいローカルの仕事ならではの魅力だと思います。

現在、その企画・デザイン力を活かして、自社企画商品を手掛けています。同社サイトで紹介されていますので、ぜひ覗いてみてください。

地元長崎の仕事とその環境をご紹介しました。決して、「いい雰囲気で仕事ができて、僕らが楽しい!」ということを言いたいのではありません。デザインプロセスにおけるいい雰囲気が、成果物のクオリティに直結しているという実感を伝えたいんです。

自分でつくれる環境はともかく、与えてもらう環境に恵まれています。カメラマンさん、はじめ、Webデザイナーさんといった社外の制作スタッフの方々にも助けられています。

良い結果を残せば、クライアントが新たなお客様を紹介してくれるというのは、場所に関係なくよくあることですが、特に、ローカルはその流れが強いと感じます。社長自ら他の企業の社長をご紹介くださることもあります。

余談になりますが、複数のクライアントから「デザイナーやプランナーは、もっと自分たちの存在をPRしたほうがいいよ!」と言われます。いざ、デザイナーを探そうとなった時、企業はどうやって探していいのかわからないものなのだそうです。

実際、今年1月にDEJIMA GRAPHのWebサイトを作ってからは、そこから仕事をいただくことも少なくありません。仕事の規模に関わらず、見てくださる方がちゃんといて、思いもよらないところから声がかかります。

デザイナーは、「ここで、こんな仕事をしてますよ!」ともっとアピールしたほうがいいのかもしれません。特にローカルでは、アピールすればそのぶん目立てます。

「ローカルだといい仕事はあまりないんじゃないの?」
この質問には、改めて、「ここだからこそできる仕事がある」、「ローカル拠点でもいろんな場所の仕事ができる」と胸を張って答えたいと思います。