インタビューの最中、相手の話の腰を折ることは御法度です。僕が現場で気をつけているのは次の2つ。
- インタビュー中に時間を確認するときは、相手に気づかれないように。
- 撮影が終わっても、カメラマンに空シャッターを切らせておく。
どちらも、相手の気持ちを切らさないための工夫です。聞き手が取材中に時計を気にし出したら、相手は「そろそろ終わりだな」と感じて集中力が途切れます。一度そうなると、その後いいコメントは出てきません。そこで、相手に気づかれずに残り時間をチェックできるように、あらかじめ手元に自分の腕時計を置いておいたり、相手の腕時計で確認したりと、いくつか方法を確保しておくのです。
それと同じように、カメラマンがインタビュー途中で「写真はOKです!」などと耳打ちしたとすれば結果は同じです(以前に失敗したことがあるので、以後はインタビュー前にカメラマンにお願いしておくようにしました)。ちょっとしたことですが、偶然に出るいいコメントというのは、お互いが打ち解けた中盤以降に多いので、許される時間はたっぷり有効に使いたいものです。
それから、短いインタビューだとしてもレコーダーは使ったほうがいいと思います。もちろん相手の話した内容を確実に残すためですが、もう一つメリットがあります。メモですませようとすると、相手が大事な話をしている時ほど、こちらはペンを動かすことになり、相手の目を見ることができません。そんな時こそ相手と目を合わせながら真剣に相槌を打つ。レコーダーがあれば安心ですし、相槌をしながら話に合わせた質問を考えて、コメントを膨らませることもできます。
レコーダーといえば注意が一つ。黙って録音を始めるのを嫌う人もいますから、必ず「今から録音します!」と断ってから、相手から見えるところでボタンを押すようにしてくださいね。
さて、インタビュー全体の心構えと段取りについて、だいたいイメージできたでしょうか? 実はここまでのことは、通販コメントの取材に限らず、著名人インタビュー全般に共通する内容が多いと思います。ただ、一つだけ通販コメント用のインタビューとして強調することを挙げるなら、相手(マネージャーや事務所スタッフも含めて)との良好な関係性を築くこと。これがもっとも重要なポイントです。
通常の場合、著名人インタビューの主役はまぎれもなく取材を受ける本人ですが、通販広告に載せる場合、最終的には「商品」が引き立つように仕上げなくてはなりません。そのためにはインタビューの内容を基につくったコメントを、相手に「飲み込んで」もらう必要があるのです。
———続きは次回。
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