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今、必要とされるのは生活者と24時間つながれるアイデア——変わる情報環境とPRビジネスの潮流

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——PR会社の仕事の領域が変われば、そこでは新しいスキルや人材が必要となるのでは。

PR会社においても、消費者インサイトの理解が重要になっており、そこでエデルマンでもリサーチ機能を強化してきた。さらに、インサイトを基にクリエイティブのアイデアに落とし込むクリエイターの存在も重要になる。PR会社にもクリエイティブディレクターが必要となっており、近年クリエイティブエージェンシー出身者の採用を強化している。エデルマンに限らず、クリエイティブ力の強化は各PR会社が力を入れている領域だ。

——24時間つながれるアイデアと言った場合、日頃から消費者と接点があるフォルクスワーゲンのようなB2Cの企業だとコンテンツのイメージは理解できる。一方でGEのようなB2Bを主軸とする業態の企業では、どうつながるアイデアを作っていくのか。

GEの場合は、同社が持つ様々な技術、事業領域の中でも、そのテーマに関心を持ちそうな消費者に絞り込んで、コンテンツを発信することでつながりを作る工夫をしてきた。消費者が知りたいことだけではなく、企業自体が伝えたいテーマも加味し、さらにGEの場合はLinkedinのようなB2Bにアプローチしやすいソーシャルメディアを活用することで、企業の意図に沿ったターゲットとのつながりを作る取り組みをしている。「Living Brand」は決して、B2Cの企業にしか適応しない概念ではない。

——日本のPRビジネスの状況をどう見ているか?

私は今年の「Spikes asia」でPR部門の審査員長を務めたが、PR部門でグランプリを受賞した作品「BANANA TROPHY」(ドール)など、日本のアイデアは素晴らしく、「リビングアイデア」がたくさん出てきた。最近、コミュニケーションビジネスの世界では、オーストラリアのクリエイティビティに注目されているが、日本は次のオーストラリアとなる国だと思う。カンヌライオンズのテリー・サベージ会長は、その国のクリエイティビティを測る指標として「グランプリ、ゴールドの受賞数÷GDP」という指標を示しているが、この指標で考えても、日本のクリエイティビティは世界有数だと思う。

日本のマーケットは「リビングアイデア」を受け入れる可能性があるということだと思うが、現時点はそのアイデアが広告会社に期待されている。今後、日本でもPR会社がこの領域で新しい提案をしていける可能性が多いにあると考えている。


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