長期のアフターフォローにつながる設計を目指す
入社数年で1億円を稼ぎ、早期に退職する――。そんな「プルデンシャルドリーム」が転機を迎えた。プルデンシャル生命保険は4月22日の記者会見で、ライフプランナーの報酬制度を抜本的に見直す方針を明らかにした。社員や元社員による一連の金銭不祥事の背景には、新契約に対する成果給が報酬の大部分を占める「フルコミッション型」(歩合給)の報酬体系があったとされる。
今後は、最低限の賃金を保証する「基本保証給」を新設した上で、成果給は長期にわたって支払う仕組みに改める。多くの社員が安定した収入を得やすくなることで、不正行為の抑止につながる一方、「保険を販売した初年度にもらえる報酬は下がる」としている。会見では「入社して3、4年働き、年収1億円を稼いで辞めるような人はいなくなるのか」との質問に対し、得丸博充社長は「そういった考え方になります」と回答。短期で億単位を稼げる従来型のモデルは終焉を迎えそうだ。
4月22日の会見で謝罪した得丸社長(中央)
プルデンシャル生命保険では、1991年から2025年にかけて、社員・元社員107人が顧客約503人から総額30.8億円を不適切に受領していた。これを受け、同社はガバナンスの見直しや組織体制の再構築を進めるため、2月9日から90日間の新規営業の自粛を実施していた。
当初は5月に終了する予定だったが、再発防止に向けた構造改革がなお不十分だと判断し、4月22日の会見で、新規契約の販売自粛をさらに180日間延長すると発表した。自粛は11月まで続くことになる。
補償については、持株会社に設置した「お客さま補償委員会」が独立した立場で事実確認と審査を進めている。1月26日に特設窓口を設けて以降、事実確認を予定している申し出は約700件に上り、このうち約70件はプルデンシャル・グループ傘下のジブラルタ生命に関するものだという。会社側は、本年秋までの補償完了を目指し、人員を増やして対応を急ぐとしている。
会見では、一連の不適切行為に関する原因分析の結果も公表。本社の意思決定や管理の仕組みが十分に機能せず、支社任せの運営になっていたことに加え、複雑な意思決定プロセスがリスクの把握や問題の早期発見を妨げていたと説明した。
また、新契約に強く連動する報酬制度が短期成果を優先させ、長期的な顧客対応やコンプライアンス意識が働きにくい構造も課題として挙げた。こうした問題への対策として、「基本保証給」の新設を打ち出した。
