「汗ジミ」をキーワードとした新カテゴリー創出
従来の制汗剤は、嗅覚に訴求するニオイ予防や触覚に訴求するサラサラ感を提供するものでしたが、新商品開発のキーワードは視覚を訴求する「汗ジミ抑制」でした。
近年、女性の社会進出によって発汗シーンが増加したことや永久脱毛経験者の増加、女性服の流行素材の変化などの社会的背景によってワキ汗・汗ジミが気になる女性は8割以上にも上り、汗ジミはニオイに続く不安要素となっています。また、テレビの生放送で女子アナのワキ汗が映ったことによって「見苦しい」という意見と、「仕方ないもの」という2つの意見の論争が起きるという出来事もあり、汗ジミ不安は社会的関心事になっていました。
通勤時や飲み会、写真を撮る際など、女性には汗ジミが気になるシーンが多数存在し、視覚に訴求する「ワキ汗・汗ジミ抑制」を切り口とすることで「汗ジミを気にせず好きな服を着ることができる」、「人の目を気にせず安心に過ごすことができる」ことを提供する新カテゴリーの創出を目指しました。
商品のイメージキャラクターとしてはモデル・タレントのトリンドル玲奈さんを起用し、オトナの女性に挑戦してもらうことで、元気でオシャレなイメージとともに大人女子のイメージも訴求しました。広告は汗ジミが気になるという通勤シーンに連動させた交通広告を展開。ドラッグストアではトリンドル玲奈さんによる商品説明のナレーションを流して、認知を広めました。
また、異業種とのコラボレーションとして、同じトリンドル玲奈さんをイメージキャラクターとして起用しており、ワキのエチケットケアで関連する脱毛サロンのミュゼさんの店内でBGMを流してもらいました。さらに、大丸さんやワコールさんでのサンプリングキャンペーンを行うなど、さまざまな展開を行いました。
その結果、「日経TRENDY」の2014年ヒット商品ベスト30において5位に選出されるほどのヒットになりました。
新カテゴリー創出におけるポイント
成功のポイントは3点あると考えています。それは、他社との明確な効果の違いが実感できる「技術革新」、コンセプトを思い切ってワキ汗ジミに絞ったことによる「一点突破」、ワキ汗ジミ対策剤という新カテゴリーによる「市場創造」です。これらの点を重視したマーケティング活動を行うことで、1月~9月までの当社のロールオン商品売上は昨年比226%、ロールオン市場全体の売上も昨年比134%と市場拡大に大きく貢献することができました。
今後はニオイ・汗の両方に焦点を当てた商品を展開することで、「もっと、オトナ女子の一日に寄り添うブランドへ。」という大人女子のニーズに応えられる商品を開発していく予定です。
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