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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「ポジションが人をつくり、成長を促す」——AOLプラットフォームズ・ジャパン 花崎社長に聞く

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新しいデータやサービスを扱う事業だからこそ、提案力を重視していく

——最近の社会動向や消費者動向で気になっていることはありますか?

日本に来る以前はアメリカで駐在していて、IoT(Internet of Things)について追いかけていました。結論としては、やはり「IoTの潜在的な爆発力はすごい」と確信しています。例えば水のボトル1本でも、半導体と通信機の値段が安くなっていくと、「この○○という商品はいま世界中のどこで何本飲まれていて、何本くらい在庫が残っているか」といったことが分かるようにできるわけです。
レストランであれば、ワインのボトルにそういった仕組みがあれば「どのテーブルにはどのくらいのワインが残っているか」も分かる。そうなると、ボトルをあけてしまう前に「新しいワインをお持ちしましょうか?」とお客さまに提案することも可能になります。

このように、あらゆるモノがネットワークにつながると「モノを売ることではなく、モノ自体を含めたサポートがサービスになっていく」ようになります。GEは、ジェットエンジンにセンサーを組み込んで各種データをネットにつなげることで状態を把握できるようにし、ジェットエンジンという「モノの販売」ではなくて、その保守やメンテナンスの付加価値まで売っていくという取り組みをしています。そうした世界はすぐそこまできていますから、そうなると、広告ももっといろんなものに掲出できるようになるでしょうし、広告の概念そのものも変わっていくと感じています。

——最後に、今後の展望についてお聞かせください。

アドネットワーク事業を7年間やってきて感じるのが、もはやアドネットワークに単独で寄りかかっていけるような時代ではないということです。世の中に様々なソリューションがある中で、いろんなサービスがメディアと生活者の間に入れば入るほど、マージンが大量に発生し、効率的な出稿ができない。だからこそ、統合的にソリューションを提供できる企業が求められているのだと思います。社名を変更したのも、そういう時代に合わせてのことです。

そして新しいソリューションが多数出てくる中でも、我々はあくまでもプラットフォームとして、新しいサービスをどんどん付け加えて内包していきます。とはいえ、この業界はプレイヤーが多いので、「プラットフォームでありさえすればほかと差別化できる」とは思っていません。最終的に差別化できるのは、やはり人の力だと考えています。新しく得られたデータやソリューションを、どう整理して、どうやって顧客にうまく提案していくか。その部分の人の力こそが他社との差異になると思っています。

花崎茂晴
AOLプラットフォームズ・ジャパン 代表取締役社長

東京大学経済学部卒業、三井物産入社。2004年から5年間リンクシェア・ジャパンの社長を務めた後、三井物産 インターネット事業室長を経て2011年より3年間米国三井物産
NY本店にて米国IT企業への事業投資・開発に携わる。2014年6月より現AOL プラットフォームズ・ジャパン 代表取締役社長に就任。