面接官は「壁」じゃない
森:結局、情報をアウトプットすることは簡単なんです。それを相手が最後まで何%キャッチしてくれるのかということが重要です。インターネットの学習サービスは、飽きられたらブラウザを閉じられて終了なので、ユーザーが集中力を切らさないために、コミュニケーションの設計をしてあげることが重要なんです。それをやるかやらないかで、最終滞在率が40%くらい変わったりするんですよ。
保持:教えるに限らず、伝えるというときには、一方的に言うより、キャッチボールが発生することが大事ということですね。就職活動も同じかもしれません。たとえば面接は、数少ない双方向のやりとりができるチャンスですよね。
森:今、思い出したんですけど、就職活動のグループ面接で、僕の隣の男の子が、面接が始まる前に天気の話をしたことがありました。面接官は低いテンションだったのでうまくいかなかったんですが、トライとしてはいいんだろうなと。結局はコミュニケーションをしに来ているので。
大来:「コミュニケーションをしに来ている」というのは、学生にとってはすばらしい言葉ではないかと思いました。面接は、自分のことだけを話しに行くんだではなく、面接官とコミュニケーションするんだという意識があると少し違う気がする。
保持:確かに新しい視点かもしれないですね。面接に行き、面接官のことをよく理解して帰って来る人はあまりいないじゃないですか。今日、面接してくれた人に娘さんがいて、犬を飼っていて、趣味は、みたいに。もし、そういうことができたら、よい面接ですよね。
大来:みんな面接官を「壁」みたいに思っているけど、向こうにも人格があって、その人が自分の話を聞くんだと思えるとだいぶ違うと思う。
森: 僕も選考していてやっぱりワクワクしています。面接に呼ぶということは、書類で通しているわけじゃないですか。よい仲間を探していて、いい人だったらいいなとか思っている。なので、学生としては、面接官もドライに切り捨ててやろうと思っているわけではないという前提の中でコミュニケーションできると、少しは気持ちが楽になるんじゃないかな。
※本対談記事は「ウェブ電通報」でも掲載。
森 健志郎
スクー 代表取締役社長
1986年生まれ。2009年大学卒業後、リクルートにて広告営業、リクルートメディアコミュニケーションズにて広告制作 のディレクターを務める。2011年10月に株式会社スクーを設立。代表取締役社長に就任。「世の中から卒業をなくす」をミッションに、“仕事に活きる”コミュニケーション型動画学習プラットフォーム「schoo(スクー)WEB-campus」を手がける。
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