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コラム

新しい売上を作る「売り方のイノベーション」~買物客の購買行動を、売り場で操作する~

米国成功事例② P&GがTargetをビューティケアカテゴリーの「絶対行きたいお店」に変革した売り方のイノベーション

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ディスティネーション・ストアになるために必要なこと

ここで、「ディスティネーション・ストア」について解説しておきます。ディスティネーションというのは「目的地」のことで、ショッパーが「この店でなければならない」「わざわざ行く価値がある」という意識を持って来店する店舗のことをディスティネーション・ストアと呼んでいます。

とはいえ、「とっておきの何かが見つかる」「そこに行けば必ず欲しいものが見つかる」というショッパーの期待に応えるのは、簡単なことではありません。例えば店内のデザインを現代的でカッコの良いものにしただけでは、ショッパーの期待に応えた事にはならないのです。

では、「とっておきの何かが見つかる」「そこに行けば必ず欲しいものが見つかる」とはどのようなことなのでしょうか?ショッパー・ベース・デザインでは、様々な方法でショッパーに商品を「見つけてもらう」仕掛けを行います。Targetと米国P&Gのケースでは、ショッパーの購買意志決定プロセス(ディシジョン・ツリー)とエンドベネフィット(ユーザーの最終的な便益)に着目しました。

ビューティ関連の中でも比較的商品が良く動くヘアケアカテゴリーを例にとると、今までは、シャンプー、リンス・コンディショナー、スプレーなどのヘアケア、と置かれていた商品の基本陳列を「モイスチャー(うるおい)」「シャイン(つや)」「アンチエイジング」「カーリーヘア(くせ毛)」「サロンクオリティ」といった、ショッパーのディシジョンツリー(購買意思決定プロセス)に沿ったエンドベネフィット別に棚を分けたのです。そしてシャンプーもリンスもスプレーも、「モイスチャー」がエンドベネフィットの製品なら、ブランドごとにまとめてその棚に陳列し、直感的なビジュアルでショッパーに訴求します。

ショッパーがどんな購買選択をしているのか?どんな購買選択が心地よいのか?というディマンドとインサイトを「売り方」に反映し、気に入るであろう商品を見つけやすく陳列し、結果ショッパーに「見つけてもらう」ことが、「とっておきの何かが見つかる」「そこに行けば必ず欲しいものが見つかる」という買い物体験になっていくように仕組んだのです。

次ページ 「ショッパー・ベース・デザインの積み木」に続く