【前回記事】「あなたは広告主ではありません、パトロンなんです——土屋敏男×谷口マサト対談(下)」はこちら
2014年の12月からスタートした連載「ビデオコミュニケーションの21世紀」。4月で終わりにしたのですが、この領域は今年まさに変化が次々に巻き起こっています。もう少し続けてみようか、ということで、これからまたしばらく、月一回のゆるいペースで書きつづってみようと思います。ふたたび、よろしくお願いいたします。
あらためての出だしとして、この連載のテーマとしているいわゆる、テレビとネットの現状について、ものすごく主観的に私の感じているところを書いておきます。
テレビから離れた若者は、決してテレビに戻って来ない

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テレビは「もう危ういなあ」と、最近思います。5月中旬に出揃った在京キー局の決算を見ると、いまは各局ともホールディングス体制で地上波テレビ局単体がどうなのかをパッと言いにくいのですが、おしなべて業績は悪くない。でも、良くもない。そんな状況だと思います。テレビがまた新たな視聴者をぐいぐい獲得して事業分野全体として駆け上がっていく、そんなことはもう起こらないでしょう。でも、いきなりダウンもしないみたい。むしろリーチを短期間で獲得するにはいまも最適のメディアです。視聴率が多少じわじわ下がっても、広告媒体としてのニーズは安定していると言ってもいいくらいでしょう。