【前回の記事】「「共創」による価値づくりで、価格競争・同質化を抜け出すには? ~楽天EXPO2015レポート(前編)」はこちら
7月31日、東京にて開催された「楽天EXPO2015」。Eコマース経営に関するさまざまなフォーラムやワークショップが開催されるなか、仲山進也氏(楽天大学学長)による「共創価値をつくり出す」ためのプログラムが盛況となった。氏の新著である『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか』に基づく講演のレポート。2回目は「実践編」。ダイエットと「脱・売上メタボ」の共通点を切り口にして、成功事例とともに最適解を探っていく。
無理なセールは無理なダイエットと同じ?
リバウンドで売り上げが落ちる
ここしばらく「成長か膨張か」、すなわち「売り上げが大きく伸びても、それが健全な成長ではなく、ムリな安売りによる膨張であれば、そのお店は一発屋的に消えていくおそれがある」という話をさせていただいていたら、先日、『最後のダイエット』という本を書いている石川善樹さんと知り合いました。ハーバード大学を出て予防医学者の博士号を持っており、公衆衛生や予防医学の講演やコンサルティングをしている方です。
その石川さんが「太りたかったらダイエットをすればいい」と言っていました。多くの人は体重を落とすために集中的なダイエットをするけれど、そのうち元の生活に戻ってリバウンドをしてしまう。特に食事制限で体重を落とすと筋肉が減り、基礎代謝が減ってしまう分、生活が戻ると元の体重より増えやすくなる。その結果、ダイエットを繰り返すほど太ってしまうというのです。
これ、ネットショップに置き換えてみると、「安売りセールを繰り返しやるほど売り上げが先細りしていくお店」と似ていると思うわけです。そこで「ダイエットに学ぶEコマース」というテーマで深掘りしてみたいと思います。