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グッドデザイン大賞、WHILL パーソナルモビリティに決定

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日本デザイン振興会は、2015年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)1点を、本日決定・発表した。

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本年度大賞(内閣総理大臣賞)に選ばれたのは、歩道での走行も可能なパーソナルモビリティ「WHILL Model A」。「100m先のコンビニに行くのをあきらめる」という車いすユーザーの言葉から開発が始まったという。

プロデューサー、ディレクター、デザイナーを務めたWHILL Inc共同創業者 杉江理氏は「つくりたかったのは、電動車いすではありません。車いすユーザーの人も、そうでない人も乗ることができる、乗ってみたいと思えるパーソナルモビリティ。まったく新しいカテゴリーをつくりたいと思いました」と話す。

同機は2010年から開発を始め、今年4月に量産、販売を開始した。価格は99万5000円(非課税/送料・調整費別)。

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「WHILL Model A」をデモンストレーションする杉江CEO

目指したのは、これまでにない高い機能性と美しいデザイン。障害のある人、高齢の人にも使い易い、マウスコントロール、シートスライドなどのユニバーサルデザインをベースに、前輪は24個の小さなタイヤから成るオムニホイールを採用し半径70cmの小回りを実現した。

細い路地、砂利道、芝生、でこぼこ道などを走ったときの振動をいかに吸収するか。前輪のオムニホイールでは、その構造をつくることに苦心し、こうした技術は世界でも例を見ないという。

大賞は、2015 年度のグッドデザイン賞受賞作1337点の中から、あらかじめ選ばれた8点の大賞候補に対して、グッドデザイン賞審査委員、グッドデザイン賞受賞者、受賞展「グッドデザインエキシビション 2015」来場者による投票を実施し、最多得票数を得た1点をグッドデザイン大賞に決定した。

同審査委員会は「デザインで社会の課題を解決しようというクリエイターの志の高さ、小さいチームが独自の技術で量産に成功したストーリーが製品に込められ、ひと目で思わず人を共感させる力がある。デザインは、従来の車椅子とは一線を画し近未来的だが、細部はユーザーの目線で丁寧に作りこまれていて、決して奇をてらったものではない。あくまで乗り物は「楽しいもの」というメッセージの通り、操作性も考慮した乗り物ならではのデザインがなされており、パーソナルモビリティという新しい製品カテゴリの創出に成功している」と評価した。

同機は月産150台。今年10月からヤナセの全国175ヵ所のグループ販売店で販売を開始している。